文楽という文化のありかた、の個人的な見解。 | さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 豊竹咲寿太夫
これは、完全に個人的な見解なので、はじめにおことわりをしておきます。。 今、ぼくのまわりでは沢山の意見が飛び交っています。 十人いれば十の考えがあるのは当然のことです。 さてさて ぼく個人の個人的な見解は 文化という名前の上に胡座をかいているだけじゃ、文化は廃れていくぞってことです。 だって、人の心は成長するじゃないですか。 その中において、如何にして古くからの心を伝えていくかってことが大事である筈です。 変わらぬ物を、変わっていく人々のニーズに響くようにすることは、並大抵の努力では叶わぬはずです。 それこそ、変わっていくメディアのように、変えられる芸能ではありませんから。 だからこそ、知恵をしぼって、より多くの人に知ってもらうことが大切ですよね。 ぼくたちは芸に精進することが、何よりも大切です。 が、それは当たり前の事です。 芸を仕事にしている以上、そこが出発点な筈なのです。 その上で、肝心なのは、芸を伝えていかなければならない、という自覚をぼくたちは持たなければならないということです。 知ってもらう努力をしなければならない。 お客さんに来て頂けるよう、魅力ある文楽をしっかりと世間に知っていただかねばならない。 その努力が、方法が、野心が、 足りているのだろうか。 と、ぼくは自問します。 もちろん、自分自身の芸がまだまだまだまだまだまだ幼稚であり、そういった事に顔を向けるに至らないことは重々承知なのです。 だから歯がゆい。 今が、チャンスだと思うのです。 現状を打破できる、チャンスだと思うのです。 いつまでも、おんぶに抱っこの文楽では、例え資金を減額されなくとも廃れていきかねないのではないでしょうか。 ぼくは芸に対して、更なる向上心を持ち続けます。 と、自分にここで誓います。 文楽を絶やしたくない。 その為には、文楽という全体が、甘えを拭い捨てて、自力で文化を伝えていけるように努力すべきです。 歯がゆいなぁ。。。