「最後の忠臣蔵」試写会に行って来たよ! | さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 豊竹咲寿太夫
こんにちは。
一ヶ月平均5本は映画を観ているであろう咲寿大夫です☆


さてさて
今日はハリーポッターを観にいこうと思ってたんだけど


今朝、師匠がこっそりと、
試写会の招待席が一席余ってるからついてけえへんか

合格



試写会って行ったことない上に
招待席ですよ( ´ ▽ ` )ノ


なんでそんな席があるかっていうと

最後の忠臣蔵

師匠も出演しているからです

バンザーイパーパー

作中の音楽

6分の1は師匠の声ちゃうかなー。



「最後の忠臣蔵」


この作品


文楽で始まり、文楽で終わりますクラッカー

なんという快挙。




劇中のテーマに寄り添うように文楽が息づいています。

とても感慨深かったひらめき電球


太夫をやっていてこれほど嬉しいことはないね。


だってこれ、アメリカも同時公開ですよ!?

ワーナーですよ!?



文楽万歳目目









。。。。はい




肝心の作品のことを話せ!ってね。






この作品




最高でした。

photo:01




ぼくが最後に観た邦画がとても酷いものだったので、
映画もますます道を迷っているのかなぁなんて思っていたんだけど



これは


「映画」でしたひらめき電球



「映画」という文化をしっかりと表現されていましたクラッカー



まさしく映画のために作られた作品だと。



最近の映画って(邦画・洋画かかわらず)メディアミックスからの話題性だとか、SFXの恩恵に頼り切った中身のないものだとか、闘って敵に勝てばいいまさしく哲学やテーマの希薄な争い物が流行っていたりして

テレビという文化の延長線上の映画という感覚が「映画」となりつつあるような気がするのですが



これは、違う。



これは

まさしく


映画である






そう言い切れますともアップ



話は日本人であればその名くらいは聞いたことがあるであろう「忠臣蔵」の後日談


忠臣蔵映画といえば
大石内蔵助が赤穂浪士を率いてバッサバッサと向かいくるものを英雄然と切り倒し
吉良を倒すという爽快な
軍物を思い浮かべがち。


だけど


これはそうじゃない。



忠臣蔵赤穂浪士として
「生きること」を命ぜられた二人の葛藤

役所広司さん演じる孫左衛門の
使命への追従
それに伴う数多の決して誰にもいう事のできない感情
武士であるがゆえの
忠義


また佐藤浩市さん演じる吉右衛門の
赤穂浪士の生き証人という
とてつもなく重い役割への葛藤

また
桜庭ななみさん演じる可音の
想う気持ち


静かにそれらの熱い熱い想いたちが練りこまれて

さらに追い討ちをかけるかのように
美しい情景描写
画面に映る役者・風景にいたるものの表情の豊かさ
丁寧なフィルムへのこだわり

統一性がとられ
尚且つ
技巧に技巧を重ねられた
至高の描写になっている。



映画というものは本来こうあるべきなのだろうとさえ思える。


作品であるべきなのだ



物語であるべきなのだ



映画はアトラクションであらず
芸術であるべきなのだ





思う。




近年は大型液晶テレビ、ブルーレイの普及で益々映画離れが取り沙汰されている



それは日本のメディアが
日本人の映画人をしっかりと育ててこなかった責任でもある。


映画がテレビの延長線上だと捉えるのも悪くはないし
むしろ間違ったことではないとは思うけれど


それが映画の本質ではないと思う。



映画はむしろ劇場と近い物があってしかるべきでないだろうか


と。





映画を阿呆のように
物語を食べるように

咀嚼し嚥下することが大好きな咲寿は思うのですよ音譜




さらには
そんな作品に関われる時がくるのを望む


いやいや

引き寄せてやろう。と。










「最後の忠臣蔵」

12月18日公開
!!



文楽が物凄く出ていますアップ


ぜひぜひ観に行ってください合格合格合格