さてさて最後までやっとこぎつけました。
一条一条比較していくのは非常に大変でしたが、日本国憲法のすばらしさを改めて理解することができました。
そして、ごろつきやくざの掟のような自民党改憲案の、人を人と思っていない条文のあまりのひどさに愕然とする思いです。
これが日本の国の為政者の考えることでしょうか。
もっとも世界を見渡しても、ごろつきやくざのような為政者ばかりというのも現実です。
しかし、民主主義、立憲主義、平和主義を守ろうという多くの人々がいることも事実です。これら平和を愛する人々とごろつきやくざのごとき為政者との戦いの火ぶたを切るときが来たようです。
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第百一条 (自民党案)
この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。 2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
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第九十八条 (日本国憲法)
この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。 ② 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
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自民党の改憲案は、憲法第98条に背く内容です。憲法前文に示される精神に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない、のです。したがって、自民党改憲案は効力を発することはないのです。
自民党改憲案では、この条項はその内容が全く変えられてしまっています。
天皇制を復活させ、天皇を操り、自分たちだけのために国民を支配する国に替え、その内容を変えた憲法を国民に押し付けるためにこの条項を使おうとしているのです。
基本的人権を剥奪された国民は、奴隷のように自民党議員一派に従わざるを得ないのです。憲法が理不尽であっても基本的人権を無視した憲法の下では、基本的人権を復権し守る戦いは社会秩序の混乱を起こすものとして公権力を使ってつぶされてしまうのです。これが独裁国家というものです。
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第百二条 (自民党案)
全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。
2 国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、この憲法を擁護する義務を負う。
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自民党新設
第九十九条 (日本国憲法)
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
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憲法に違反し戦争法を作り、憲法に違反して共謀罪を作る。憲法を守らない人間がなぜこの条項を作るのかが大きな問題です。
自民党案第102条は、民主主義も、立憲主義も、平和主義もぶち壊し、基本的人権も剥奪する憲法に替え、国民を支配し、その悪の憲法を守らせる条項です。
この条項でも天皇制の復活を目指しています。しかしながら、その内容は天皇制を利用して、自分たちだけのための国を作ろうとしているのです。
民主主義も立憲主義も平和主義も、そして基本的人権もない、悪政のもとでの憲法擁護論です。正義が行使されることのない悪の世界を守ろうとしているのです。