このブログは、日本酒×スイーツ ペアリング研究サイトです。
今回は、日本酒とフィナンシェのペアリングです。
日本酒の中でも、質感と甘味に特徴のある貴醸酒が、
フィナンシェの魅力を見事に引き立てる、黄金ペアリングになりました。
さらにはフィナンシェに貴醸酒が持つ煮詰めた果物のような風味が加わり、
香りや味わいにより複雑性が増し、
リッチな、大人のスイーツに進化する組み合わせです。
この記事では、日本酒の中でも貴醸酒とフィナンシェのペアリングがなぜいいのかという理由を、
フィナンシェと貴醸酒の両方を分析することにより、
ひもといていきたいと思います。
フィナンシェの特徴
今回日本酒とペアリングするフィナンシェは、
フランス発祥の焼き菓子。
フランス語で「金融家」・「金持ち」等の意味があるそうです!
フィナンシェは、アーモンドプードルと焦がしバターで仕上げられた、
香ばしさとコクが魅力の焼き菓子です。
外側はカリッとタイプもあればしっとりタイプもあります。
中はしっとり。
口に入れると、甘み・ナッツ感・バターの風味が重なり合い、
リッチで満足感のある味わいが広がります。
焼きたての香ばしさとしっとりとした質感、
そしてアーモンドのナッツ香が印象的ですね。
フィナンシェの味わいまとめ(★5つ評価)
どんな味わいがあるか、ざっくり★マークでまとめてみました
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塩味:なし
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甘味:★★★★(突出して強い)
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酸味:なし(今回フルーツが乗っていないタイプのため)
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旨味:★★(生地のコクとして)
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苦味:★(焼き菓子の香ばしさ)
日本酒とフィナンシェ、ペアリングのポイント
焼き菓子の油分と香ばしさは、
軽すぎる日本酒では負けてしまいます。
一方で、甘すぎると重たくなるので注意が必要。
そこで重要になるのは以下の4点
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質感のペアリング
フィナンシェのしっとり感と重なる“とろり”とした口当たりを日本酒が持つこと。
日本酒が”つるりん”としてしまうと、フィナンシェの質感と合いません。
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甘味のレベル合わせ
フィナンシェの甘みを損なわないために、
日本酒にはフィナンシェに負けない甘味が求められます。
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酸の種類
スイーツに合わせる日本酒を選ぶときには「酸」の種類がとても大切。
これまでいくつものスイーツを日本酒とペアリングして、
「酸」によって甘い世界がぶった切られる経験をしてきました。
酸にもいろいろな種類がありますが、
特にクエン酸など鋭角な酸は、
甘味をぶった切ることがあるので注意が必要。
今から甘いスイーツを楽しむぞ!という気持ち満々のときに、
鋭角な酸が入ってきてバスっと切られてしまうと残念なことこの上ありません。
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香りの重なりと補完
ナッツ・バター・焼きの香ばしさと響き合う熟成系の香りのある日本酒をもってきたいところ!
香ばしさや複雑さが重なり合い、なんともいえないリッチな大人の世界を作り出せそうです。
さらには、ドライフルーツのような熟成したフルーツ香や角の取れた酸があると完璧!
まるでフィナンシェにドライフルーツを乗せたかのような演出になるにちがいありません。
この点は、紅茶やコーヒーにはぜったいに出せない、日本酒ならではの世界観を作り出すポイントです。
フィナンシェとペアリングする日本酒で選んだのは
八仙(はっせん)貴醸酒(きじょうしゅ)/八戸酒造 青森 です。
一般的に日本酒は、水・米・米麹から作られるのですが、
貴醸酒とは、日本酒を仕込む際に
一部水の代わりに日本酒を使って仕込んだお酒です。
糖度が高く、濃厚な甘味と酸味が特徴です。
通常は数年熟成させるため、
とろっとした質感になり、
酸味も角がとれてやわらかになります。
アバウトですが、「日本酒で漬けた梅酒っぽい感じ」と
思ってもらえればイメージしやすいかと。
今回選んだ八仙は熟成が浅めなのか、
貴醸酒の中では割とさらっとしていて、
フルーツ感も「ドライフルーツ」というより
「煮詰めたフルーツ」という印象です。
八仙貴醸酒テイスティングまとめ
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外観
淡いイエローにわずかなグリーンを感じます。熟成は控えめな様子。
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香り
とろ~~っとした甘やかな香りです。
頭の中に、焼いた栗、練乳、バナナ、ナッツ、メイプル、チョコレートなどの単語がポンポンと浮かび上がってきます。
この単語を見るだけでも、洋菓子なかでも焼き菓子とのペアリングができそうですね!
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味わい
味わってみると、やはり熟成が浅めなのがわかります。
とろりとした質感もそれほど粘度はなく、飲みやすい。
ドライイチジクのような甘みと白コショウのようなスパイス感。
軽く熟成されているため、酸に角がありません。
この「酸に角がない」というのがとても大事!
甘いスイーツに、シャッキシャキにとがった酸をもつ日本酒を合わせると、
スイーツの甘さは楽しめないわ、日本酒はすっぱくなるわで、散々な目に合うことがありますから…
フィナンシェの甘さを活かしっつ、
複雑な香味をさらに増幅させて大人の世界へ、
そしてフルーツの香りも加わって、
さらにリッチな味わいを生むペアリングになっているか、さて、実食です!
日本酒とフィナンシェ、ペアリング結果
日本酒とフィナンシェのペアリング、
さぁ実食です!
フィナンシェを口に近づけるだけで
濃厚なバターとアーモンドプードルの香り。
口に含むと口のなか一杯に甘みが広がり幸せな世界。
そこに少し貴醸酒を流し込むと、
フィナンシェの甘みと日本酒の甘みが、まるで計算されたかのようにぴたりと一致します。
貴醸酒はそうとう甘味が強いのですが、
驚くことにフィナンシェと合わせると、その甘味がふわっと軽く感じるのです。
そして、両者が持つ“しっとり×とろり”の質感が美しく重なり合います。
ナッツ系の香ばしさ、焼き菓子の香ばしい香りに、
貴醸酒の軽い熟成香やドライフルーツのような香味が立体的に加わり、
まるでフィナンシェに煮詰めた果物をトッピングしたような奥行きを感じさせてくれます。
さらに、油分をスッと流してくれるアルコール感が、食後感を心地よくまとめてくれました。
「これなら、フィナンシェにわざわざ日本酒をペアリングする意味がある!
コーヒーや紅茶とは違う世界観を楽しめる」
というペアリングです。
スイーツに日本酒をペアリングするときは、
スイーツの味わいや香りを分析してから日本酒を選ぶのですが、
日本酒がもつちょっとしたドライ感や酸味、苦味で、
予測とはまったく違った「うっそ~~???(残念)」という結果になることもしばしば。
今回は、予想通りの結果になりました!
ここで2つのギモンが生まれます。
Q.フィナンシェに他の貴醸酒はペアリングできないの?
いいと思いますが、あまり熟成しすぎていたり甘味が強すぎるとバランスが崩れると思います。
Q.熟成感が重要なら貴醸酒ではなく純米の熟成酒はどうなの?
甘味がしっかりあるものなら合う可能性はあります。
辛口タイプの熟成酒とフィナンシェは、うーーん、私は合うとは思いません。
もちろん、最終は、一人一人の好みなんですけどね。
まとめ
フィナンシェ×日本酒(八海山貴醸酒)は、香ばしく複雑な香りを増幅させる大人のペアリング。
これなら、フィナンシェにわざわざ日本酒をペアリングする意味がある!
と感じる黄金ペアリングでした。






