腹のくくり方
才木投手は見事なピッチングだった。
3回までは変化球、特にファークが抜群に良かった。
少なくとも僕が見た中では久し振りにとんでもないフォークだと驚くほどに凄い落ち方をしていた。
スライダーも右打者の外に決まっていた。
ただ、それと反比例して真っ直ぐを投げるときには力んでバランスを崩して左打者のアウトハイに抜けていた。
しかし、いくらフォークがいいとはいえ、真っ直ぐが明らかなボールばかりだったため、中盤以降には変化球に絞られ掴まると不安視していた。
ところが、4回1死ランナー無しでの牧選手の打席。
初球、スライダーでカウントを取ったあとの2球目の真っ直ぐ。
ようやく、指に掛かった真っ直ぐが決まった。
ここから、1巡目に変化球で翻弄されていたベイスターズ打線は手も足も出なくなる。
中盤以降は真っ直ぐタイミングで真っ直ぐで空振りやファウルを取れていた。
逆にフォークの落差、精度は落ちたが真っ直ぐは27個目のアウトまで衰えなかった。
対して、ベイスターズは5回には1死1塁から京田選手のセカンド後方のフライを中野選手が好捕。
中野選手は後方のフライを捕るのが本当に上手い。
ただ、問題は1塁ランナーの山本選手。
中野選手が捕球したときには3塁ベースまで行っており帰塁できずにアウトを献上した。
最終回には4番牧選手の打席で初球盗塁。
間違いなく、ベンチのサインだ。
今年のベイスターズの戦い方を見ていて、走塁に重点を置いているのはわかる。
ただ、牽制死に先の塁でのアウトと暴走が多すぎる。
よく、「好走塁と暴走は紙一重」という言葉があるが僕は違うと考える。
先の塁でアウトになるのはアウトの献上になる。
状況によって際どい場合は勝負を懸けて良い場面もあるが今年のベイスターズは状況お構いなしに来る。
阪神もそんなことはわかっている。
ただ、才木投手に勝負を預けると腹をくくった。
そして、今年のDeNAなら2アウトで4番牧選手の打席でも盗塁をしてくる。
それもわかった上で、盗塁は良い。
打者勝負で決めろ!
ベンチからの明確な指示で盗塁されても才木投手ー梅野選手のバッテリーは揺るがなかった。
はっきり言うが、昨日は年一の野球。
そんなに頻繁に大逆転勝ちはできない。
根拠なく取り敢えずいってしまえ野球では取れる点も取れない。
地道にしっかりと相手の出方を予測し備える。
そして、何を防がなければいけないかを考え守備、走塁を遂行していく阪神の野球。
DeNAとは真逆の野球だ。
違いはあっていいと思うが少なくとも僕が好む野球は阪神の野球だ。