“人との出逢いにはその先に思いもよらない壮大なストーリーが用意されていることがたまにある”の続き。“2016西日本B-1グランプリin佐伯”にも参加されていた“お好み焼 三枝(みえ)”のホルモンうどんを食したのち、タクシー運転手に“岡山は牛肉に強い土地柄”との説明を受け、その夜向かったのは“炙家 ぼっけもん”で肉三昧。

 

 

 

 

 

 


食したのは“やみつきホルモン”“タン”“ぼっけもんサラダ”“自家製干し肉”そして“テルポン”

 

 

 

 

 



やみつきホルモンは凄くレアに仕立てられており呑み込むタイミングを選ばないが、だからと言って加熱不足の臭みなど一切ない。タンも根っこの部位で柔らかく旨味が強い。実はタンは“薄切り焼肉”よりも“厚切りステーキ”の方が旨いと思っている私にとっては嬉しい限り。

 

 

 

 

 



ぼっけもんサラダは大根、水菜、ニンジン等を盛り込んだ上にスライスした牛肉が飾られた仕様でボリューム満点。マヨネーズの味わいよりポン酢の酸味が勝っているから食べ詰まらない。

 

 

 

 

 



干し肉は岡山県というより津山市の郷土料理らしく、保存食としてなのか味わいのためなのかは分からないが数日間干して肉の旨味を凝縮させた一品。“肉”といえば柔らかさが持て囃されて久しいがこの干し肉は噛みごたえこそが命。食にとって“硬さ”を捨てると幅が狭くなってダメだと改めてそう気付かせてくれた。

 

 

 

 

 



最後は人気メニューのテルポン。これは牛テールを煮込んだ物にポン酢を掛けた“テールポン酢”のことで、テールのコクにポン酢の酸味、大根おろしの辛味が効いてアッサリと食せる。下処理もシッカリとしているから脂っぽさがなく“旨さ”のみ伝わってくる。これは自宅に帰ったらマジで作ってみたくなるほどの旨さで、ぼっけもんに行かれた際は必ず頼んで欲しい。

 

 

 

 

 



でっ、食事もそろそろ終わりだなと思った折、店主が“今日はどちらの方からいらっしゃったんですか?”という一言……満席なことも手伝っていつものように話しかける訳にいかず“このまま終わりだな”と思っていたから、その語り掛けが凄く嬉しかった。

 

 

 

 



話は弾みながらも店主は料理のことで頭は一杯。“もう少し食べられますか?”という一言に迷わず頷く。供してくれたのが“牛ぬた”と“牛むす”という人気メニュー。

 

 

 

 

 



牛ぬたは津山の郷土料理でお祝い事には欠かせない一品らしく、生の牛肉と豆腐を和えた“白和えの豪華版”だ。アッサリだが生肉のコクが所々効いていて寂しさがない。これは日本酒が合いそうな味わい。

 

 

 

 

 



牛むすはぼっけもんオリジナルの一品で、こちらは生の牛肉、ゴマ、ネギ、そして味付けした飯で結び軽く炙ったもの。

 

 

 

 

 



最初は何もせずにそのままを愉しみ、半分ほど食したら付属している出汁というかブイヨン(テールスープだったと記憶;)をトプトプと回し掛け……

 

 

 

 

 

 

 

旨さがいっぺんに花開く感じで、出汁を入れる前と後でこれほど味わいに変化があるのかと驚かされた。何より店主オリジナルというのも良いし、これから何十年後には“津山名物”になっているのかもしれない。

 

 

 

 

 



ホルモン、タン、サラダ、干し肉、テール、牛ぬた、そして〆の牛むす。焼いたもの、フレッシュなもの、干したもの、煮込んだもの、和えたもの、結んだもの、そのどれもが物足りなくもなく行き過ぎてもいない丁度良い塩梅、旨いなぁ。

 

 

 

 

 

 


岡山県津山に行ったら“ぼっけもん”へ。地元の人曰く“ココに行かなければ津山に行ったことにならない”らしく……確かにそんな感覚を与えてくれる“現場”だと私は思う。“うまいもん”と“ぼっけもん”に会いにもう一度必ず津山へ。(つづく)
※画像は店主の娘さん
 

炙り家 ぼっけもん
0868-23-2994
岡山県津山市伏見町28-1
営業 18:00~22:00(LO21:40)
定休 日曜日