朧なりカマンベールと菊姫と (渡部 洋)
昨年の酒俳句大賞で佐藤文香さんが選んだ
選者賞である。
佐藤文香さんは1985年生まれ。
俳句甲子園で
夕立ちの一粒源氏物語
この句で最優秀賞を獲得した。
ボクの俳句仲間たちとこの句をどう解釈するか
盛んに話をした覚えがある。
早稲田大学第一文学部卒業後。第二回芝不器男俳句新人賞対馬康子奨励賞、
第1回円錐新鋭作品賞白桃賞受賞。
その後、池田澄子に師事した。
その時の池田澄子さんとのやりとりも話題になった。
第1句集「海藻標本」で第十回宗左近俳句大賞を受賞。
第2句集「君に目があり見開かれ」
そして写真は第3句集「菊は雪」。
この句集、装丁がとてもシック、シックなのにモダンである。
編集者の目からみると、この時代に、こんな丁寧な
装丁をするなんんてなんた羨ましい、と思う。
下にボクの好みの作品をあげておく。
2014年ごろから詩を書き始め、
『渡す手』で第29回中原中也賞受賞。
ここに描かれた詩は
見た目、散文のようで
ボクは最初戸惑った。
句集「菊は雪」から気まぐれに
ボクの気になる句を採り上げる。
石楠花のくれなゐを経し光かな
人差指に塩の立体夏来る
夫の背に乗り竜宮を目指す哉
水中の水の手ざはり桔梗切る
練乳の糸引く指の祭りかな
洋梨を剥く手が洋梨とまざる
大根の組織へ出汁の分け入りぬ
妹よストーブに火の出来上がる
木を過ぎて木々と出会ひぬずつと雪
ながき夜の浅さを見附にて別る

