(戴の投稿)
さて、日本酒輸出市場が良いらしい的論調が様々なレポートで見られます。
本当にそんなに伸びているのかという疑問は以下のブログを御覧下さい。
<本編【速報】2017年輸出データ:本当に海外チャンス有るの?>
https://ameblo.jp/sakeexport/entry-12353343331.html?frm_src=thumb_module
本題です。
海外輸出に於いて、現地パートナーの存在なしには語ることが出来ません。
当たり前ですみません。でも、その当たり前を理解しているはずなのに、
その意思決定する?という方が多くおり、後悔しているので、、、、問題喚起として書かせて下さい。
これは我々と組みましょうよというメッセージではなく、ご自身で冷静に考えてほしいという問題提起です。
フィールドが海外になった途端、以下のことを確認せずに、
現地に丸投げして(管理体制0)、契約してしまう酒蔵が結構います。
相手の詳細も把握せず、10年契約とかしてしちゃって、
自分で自分のクビを締めちゃっている人多すぎ。
誰の責任?見抜けなかった自分たちです。
菊口さんのブログ(<国ごとに問題は大きく異る>https://ameblo.jp/sakeexport/entry-12350059355.html)にもある通り、
とにかくフィールドが「海外」になった瞬間、みんな丸投げなんです。
これは全てが海外の契約先に非があるのではありません。
何故なら、その人と組むということを決めた人は日本の酒蔵だから。
自分達にも責任があります。結婚と同様、双方が同意して初めて、成立します。
販売パートナーを選ぶ時、どんなポイントを見ますか?
①支払い能力は大丈夫?
会社の規模/決算書の内容は確認している?P/L、B/Sは見ている?取引条件はフェア?
債権回収リスクはどれ位負っている?先方が飛んだら(倒産)、どれぐらいの被害額?
⇒はっきり申し上げますが、支払い能力は「信頼」とは必ずリンクしていません。
どんなに仲のいい友人(提携先)でも、お金が無ければ、逆立ちしても、支払えません。
与信管理は基礎中の基礎です。当たり前に「担保もなく、裸与信で商売しすぎているという
のが、日本国内の企業全体」に言えることです。勿論、前金にする難しさ、担保を取る難しさは理解しています。費用もかかるし、とかいろんなハードルで決算書取付けが難しいなら、前金もしくは、半分前金とかでやったらどうでしょうかね?とにかく、ハードルが高いから無理だよ〜と流れに任せず、努力してリスク低減して下さい。決済代行で成り立っている会社があるぐらい、マストで気にするべき大切な部分です。
②海外パートナーの商品管理品質を知っている?
これも国内だと当然ですが、確認していますか?海外でどのように品質管理をしているか、設定温度は大丈夫か知っていますか?気にならないですか?海外パートナーがどんな飲食店又はECで販売しているか、気になりませんか?
⇒僕なら気になって仕方なく、寝れません。何故なら、金払いが良くても品質管理や販売方法やマーケティング方法が酒蔵のコンセプトと合わなければ、ブランドが崩壊し、その国から撤退を余儀なくされます。
現地任せにしないで下さい。現地パートナーのせいではありません。
何故なら、その国ではそれが普通なので。
だからグリップ(ハンドル)を握るのは自分達です。
東南アジアで一年中炎天下の国で常温で保存されているところもザラにありますよ?
平気で1年前や2年前のお酒が現地で販売されていますよ?
口頭による消費説明も無ければ、文字による商品説明もない商品沢山有りますよ?
知ってましたか?そんな状況で正しく流行りますか?
自分の子供と同じぐらいかわいい大切な商品そんな風に扱われている人らと組めますか?
事前に確かめましょうよ。
国内で当たり前にしていること、気にしていることを海外に関しても徹底的に確認して、納得して、取り組みを始めて下さい。
最近聞いた例で、残念だなと思ったこと。
パターン①:有効期間10年の独占契約で海外企業(A社とする)と締結した。
⇒A社は日本酒販売が主な事業ではなく、片手間。販売単価がすげー高い、そして業界研究をしていない+
ITに疎い(簡単にいうとネットが使えない)から、自分達の置かれている環境(ヤバイこと)に気が付かない。
すごくいい商品なのに、他のお酒を取り扱う会社が取り扱おうと思った場合、必ずA社から仕入れないといけなく、
そこにマージンが乗っかるから、飲食店で最終消費者に提供する価格が高くなりすぎて、商売として成り立たないから、
数量は伸びないし、悪いうわさがたつ。A社は実は業界では干されています。
酒蔵も本当はA社との契約を辞めたいが、10年縛りがあるので2020年迄身動き取れない。
つまり、この酒蔵はA国では2020年迄もう主体的に攻めることは出来ません。パートナー選びをミスってすごく後悔しています。
商機(ビジネスチャンス)を沢山逃しているのは言うまでもありません。。。。汗
契約書の文言も締結前に変更要請できましたよね?
A社がどんな会社かも契約締結前にある程度調べることができましたよね?
パターン②:日本政府(県)と某国政府(市)の紹介?斡旋?によって、
某国B社と販売契約を締結する(予定)というケース。
⇒B社は組むに値する会社か自分で調べましたか?国の紹介、斡旋だからといって安全、安心できると考えるのは安直すぎですよ?
政府は勿論良かれと思って、持ってきた案件ですが、最後は当事者同士の問題です。色んな問題が起こった時に政府は紹介しただけで、何の責任もありません。紹介者にも責任が有るということで、政府に文句を言う(責任を取ってもらう)のはお門違いですよ???
契約書の文言は自分で一字一句確認しましたか?
取引条件はそれでいいですか?一方的にB社に有利な条件になっていないですか?
いざ、こちらが嫌になったときに、酒蔵側の申し入れにより、契約を無効にできる文言は入っていますか?
などなど、気になる点が沢山。
ここではあえて書きませんが、その国における商標権も大きな問題。
理解していますかね?
こういう事例を聞いて、今となってはどうにもならない、後の祭り的な状況、本当に心が痛みますし、悔しいです。
ちゃんと責任と当事者意識を持って、自分の商売のハンドルを他人に握らせず、自分で持って下さい!
結婚で考えるとすごくわかりやすいと思うので、あえて書いてみます。
結婚する前、その人の生い立ちや家族構成等知って結婚しますよね?
結婚して、実は借金がXX億円あってって言われたら?実は離婚歴があると結婚してから言われたら(離婚歴があることが悪いという意味ではなく、後で事実として発覚することが問題)?気になることはクリアにして結婚しませんか?
そんな人と結婚生活続けられないですよね?
紹介も同様です。
大手結婚紹介サービス(例えば東証一部のしっかりした会社)を利用して、結婚しました。
結婚したら、結婚相手間違えた〜っていうようなことが沢山起こりました。
紹介会社にせいでしょうか?又、彼らに責任を取らせるのが当たり前でしょうか?
違いますよね?当事者の責任ですよね?
笑いごとじゃないですが、一回結婚すると離婚って大変です。
商売でも。両社無傷ではすみません。ダメージも50%50%ではありません。
もっと慎重に納得するまで、考えましょう。
これで私が皆さんに何を伝えたかったか、理解頂けたと思います。
不本意な提携/協業(=結婚)による被害者を本当に減らしたいので、
我々と組まなくてもいいので、気軽に相談のメッセージして下さい。
あ、我々は海外販売先のその先にある飲食店の情報(要望があれば、お連れしまーす)、
商品を保管する環境、マーケットサイズ等全て、お伝えして納得頂いた上で、パートナーとなりますので、
これからパートナーに成る酒蔵様、気になることは徹底的に聞いて下さい。
納得するまで。安心してくださいね!
関わった人全てハッピーではないとビジネスは中長期的には続きません。
終わり