●特定名称 大吟醸酒
●原料米 「五百万石」 (精米歩合50%)
●酸度 1.1 ●アミノ酸度 ?
●日本酒度 +4 ●アルコール度 15.5%
●酒造年度 H19BY
寒い夜には【大吟醸のお燗酒】 新年に入って早くも10日が過ぎて、ようやくいつもの生活のペースが戻ってきたところですが、この週末の金曜はお店も新年会の予約が多く、なかなかの賑わいを見せてくれました。
さて、お正月明けには何を呑もうかと、例によって色々と探していたのですが、これから寒さがいっそう増してくるこの時期は、「お燗酒」がより美味しく感じられる季節ということで、今宵選んだのはコレ、
【黒龍 九頭竜 大吟醸燗酒】です。
これは福井の黒龍酒造からリリースされている、「お燗で呑むことを前提とした大吟醸酒」で、一般的には、お燗で呑むのに適しているのは純米酒であると言われている中で、黒龍酒造の言葉を借りると、温めた時にお酒を美味しく感じさせる味覚成分を発見する為に、何度もスペックの調整と官能検査を繰り返した結果、「燗上がりする大吟醸酒」を完成させたとしています。
違いをみる為に、まずは冷や酒(常温)の状態で呑んでみましたが、香りは「よく熟した洋梨」想わせるやや華やかな香りに、北海道のお土産で有名な「バター飴」の様な甘味を伴う乳製品の香りが加わって、「やや華やかかつ甘やかで優しさを感じさせる香り」です。
口に含むと、上品な甘味と程よい酸,そしてきめ細かな旨味の調和が優しく取れていて、「上品な飲み口の中にもキレのある味わい」でした。
続いて電気式の湯煎の卓上酒燗器を使って、人肌燗(35℃),ぬる燗(40℃),上燗(45℃)と、温度計を使いながら色々な温度でのお燗を試してみました。
まず意外だったのは、香りは通常の大吟醸酒とは逆で、お燗することによって控えめになり、華やかな吟醸香はむしろ目立たなくなります。
味わいですが、酸がぐっと前面に出てきて甘味や旨味の膨らみが増し、コクやボリューム感も含めて全体の味の厚みがアップして、お燗にすることによって「呑み応えがありしっかりと充実感のある味わい」へと変化してゆきました。
なるほど、確かに黒龍酒造が言うように、「燗上がりする大吟醸酒」という表現がピッタリの「うま酒」でした。
合わせる料理についてはやや悩みましたが、「大吟醸酒」との相性をイメージしたものと、「お燗酒」との相性をイメージしたものとを、それぞれ一品ずつ用意して比較してみることとしました。
まずは「大吟醸酒」との相性をイメージして、
【白魚の玉締め】です。
これは白魚と若布をだし入りの玉子でとじたもので、比較的淡白な素材をシンプルに仕上げた料理なのですが、やはりお燗にした「九頭竜」よりも、冷やの状態での「九頭竜」と合わせた時の方が、白魚の微かなほろ苦さと玉締めの柔らかな味わいが、お酒の味をより繊細にしてくれるように感じました。【ぶり大根】です。
こちらは純米酒のお燗には定番とも言える組み合せの料理で、やはり冷やの状態で合わせると、ぶり大根の濃い目の味付けにお酒の味わいがやや負けてしまうような印象を受けるのですが、お燗にして合わせると、お酒と料理の味わいのボリューム感のレベルが丁度良くなってゆきます。
今回色々と試してみて改めて痛感したことは、日本酒と料理の相性を考える際に重要なことは、「大吟醸酒」や「純米酒」といった「特定名称酒の区分」なのではなくて、「その日本酒の個性を最大限に引き出せる方法で呑む」ことなのだということです。
まあ何はともあれ、「黒龍 大吟醸燗酒 九頭竜」のおかげで、寒い季節の愉しみがまた一つ増えたことだけは確かですね…。

