御祖酒造(石川県・鹿島市・中能登町)
●特定名称
純米吟醸酒
●原料米
「山田錦」「美山錦」(精米歩合55%)
●酸度 1.7
●アミノ酸度 ?
●日本酒度 +5.0
●アルコール度 16.5%
●酒造年度 H18BY
【食中酒】には生原酒よりも
加水,火入れ酒に軍配か?!
5月最終の週末は、気温が13℃と3月下旬並みの肌寒い雨の日となり、季節はずれの風邪を引いてしまった人もいたようです。
さすがにこの寒さでは「キリリと冷えた生酒!」という気分にはなれず、何か手頃な食中酒はないものかと、我が家の日本酒貯蔵庫(大型冷蔵庫の野菜庫)を物色していて見つけたのがこのお酒、
【遊穂 純米吟醸55】です。
実は「遊穂」を呑むのは随分久しぶりで、ほぼ一年前に「純米の無濾過生原酒」と「純米吟醸の無濾過生原酒」を呑んで、その食中酒としての幅広い能力を実感しながらも、「無濾過生原酒」であるが為に18%を超えるアルコール度数とボリューム感の強さが、淡い味わいの料理に対してはやや勝ってしまうようなイメージを受けたのを覚えています。
最近になってWEBサイト上のSAKE SHOPのメールマガジンの中で、たまたま「遊穂」の火入れ・加水タイプを目にする機会があり、アルコール度数16%前後の火入れタイプの「遊穂」の食中酒としての実力を、ぜひ試してみたくなって購入しておいた一本です。
香りは控えめで、ほのかに花梨を想わせる香りに、ホットミルクのような落ち着いた香りが加わり、味わいはしっかりとした酸が感じられ、ふくよかな飲み口の心地良い味わいです。
今回は「遊穂」の幅広い料理との相性を確認する為に、新宿のデパ地下で和洋中の様々な惣菜を少しずつ買い込んで合わせてみましたが、その中で特に面白かったのが下の二つの組合せ。
【冬瓜の海老そぼろあんかけ】 です。
「冬瓜」は、なぜか「冬の瓜」という名前が付けられているにもかかわらず代表的な夏野菜の1つですが、程好い火入れ加減で歯応えの残った翡翠色の冬瓜に、海老そぼろ餡の旨味がじっくりと浸み込んでいて美味しい一皿でした。
お酒と合わせてみると、冬瓜の透明感のある繊細な味わいを「遊穂」が優しく包み込み、また海老そぼろあんかけの旨味と「遊穂」の膨らみのある旨味の、2つの微妙に異なる旨味のハーモニーが、長く心地よい余韻として口の中に残ります。
そして二つ目が左の写真のチーズ
このチーズは、1815年のウィーン会議で行われた「チーズコンテスト」で優勝した実力を持つ、白カビチーズの王様と呼ばれるフランス産のチーズで、やや弾力のあるソフトな口当りと、口いっぱいに広がるミルキーなフレーバーが特徴です。
「遊穂」のふっくらとした旨味と「ブリー・ド・モー」のコクのある旨味のレベルは丁度良く、チーズの余韻に感じる程好い塩味とお酒の優しい甘味の調和が絶妙で、この組合せではグイグイお酒が進んでしまいました。
世の中では、日本人の「食の洋風化」が進んでいると一部で言われていますが、様々なタイプのナチュラルチーズと共に、それと相性の良いタイプの日本酒の組合せを発見してゆくことが、食の洋食化の流れの中での、食中酒としての日本酒の「今流」の楽しみ方なのかもしれませんね。

