井上合名(福岡県・三井郡)
●特定名称
山廃仕込み純米酒
●原料米
福岡県産「穀良都」(精米歩合65%)
●酸度 3.0!
●アミノ酸度 ?
●日本酒度 -6.0!
●アルコール度 15.0-16.0%
幻の酒米?【穀良都】で
復刻醸造されたお酒です。
2月最終の週末となった23日、関東地方を「春一番」(その年に初めて吹く強い南風)が吹き抜けて、東京都心でも最大瞬間風速15.9mが観測され、各地で強風による被害が出てしまったようです。
何はともあれ、ようやく春の足音が近づいてきたわけで、勤務先のお店でも「春のオススメ料理」を決める時期となり、今年は「九州うまかもんフェア」と題して、都内の和食店8店舗合同で九州各地の郷土料理を販売することとなりました。
実は今年に入ってから、この和食店合同の季節毎のオススメ料理に合わせて、それと相性の良い日本酒をプロデュースするという仕事を任されているのですが、今回のフェアに合わせる日本酒に関しては、若干頭を悩ませることとなってしまいました。
それと言うのも、九州にはご存知のように焼酎文化がしっかり根付いていることに加え、今回提案されたのが、写真の「ねぎとんの天ぷら」という料理で、これが薩摩黒豚を天ぷらにしタップリの玉ネギの上に乗せ、ポン酢であっさりと食べるという個性的な料理だったからです。
そこで九州の地酒を何種類か取り寄せて試飲し、さらに「ねぎとんの天ぷら」との相性も試してみたのですが、その中でとても面白かったのがこのお酒、
【穀良都(こくりょうみやこ) 山廃純米酒】です。
このお酒は、大正時代に九州北部で酒造りに使われていて、その後栽培が途絶えて「幻の酒米」と呼ばれていた「穀良都」(こくりょうみやこ)という酒米を、福岡の井上合名が4年の年月をかけて復活させ、さらに当時の酒造りの技術を忠実に再現して復刻醸造させたものです。
香りは、大豆を思わせる穀物類のふくよかな香りに、ほのかにアーモンドや干し海老の熟成香に似た香りが加わったやや複雑な香り,味わいは甘味と旨味はやや控えめで、厚みのある強い酸味が明快に主張し、それでいて全体のバランスは取れている、まるで「酸味の穏やかな白ワイン」を思わせるような個性的な味わいでした。
今回のテーマとなった「ねぎとんの天ぷら」との相性はもちろん◎で、ポン酢の強い酸味にも見事に調和しましたが、それ以外に色々と試した中では、「黒酢入り春雨サラダ」「フレッシュシェーブルチーズ」「柚子入り小肌の酢漬け」など,やはり酸味の効いた料理が「穀良都」と面白い相性を見せてくれました。
ちなみに色々と悩んだ末に、この「穀良都」はあまりに個性の強いお酒なので、これを8店舗の全てのお客様に強引に薦めるのは、利き酒師としてはやや不親切なスタンスであろうという判断のもとで、同じ蔵から出されている「美田 豊醸 山廃純米」を、今回の「九州うまかもんフェア」のオススメ地酒として選ぶこととしました。
それでもこの「穀良都」というお酒,個人的にはとても面白いお酒だと思うんですけどねえ…。
