先週の「音故知新」です
Holly Cole
「Dark Moon」(’25)
Holly Cole Trio名義で’90にデビュー(ソロ・デビューは’95)のカナダのジャズの歌い手Holly Cole。
リハーサル無しの即興性を重視したレコーディングだったとのこと。
このアルバムのリリースを受けて、3月に「ブルーノート東京」で来日公演も行なっています。
‘19のカナダでのライブ盤(全8曲)が付いた2枚組が国内盤で出ているみたい。
Henry Mancini, Burt Bacharach, Peggy Lee, Marty Balin (Jefferson Airplane)などの楽曲を含む、通常盤は11曲。
シルキーなボーカルでまったり, しっとり。
・Holly Cole / Dark Moon
Matmos
「Metallic Life Review」(’25)
アルバム毎にサンプリング素材のテーマを決めて、過去には手術器具や洗濯機などの発する音をサンプリング素材として使用して曲を創っていたMatmosですが、今回は全編金属音をサンプリング。
Thrill Jockeyからリリースの15枚目のスタジオ・アルバム。
鍋, フライパン, アルミ缶、果ては墓地の鉄門のきしむ音まで、フィールド録音で集めた多種多様な金属音によるエレクトロニカ。
最後の表題曲「Metallic Life Review」は、スタジオでの即興演奏による20分に及ぶエレクトロニカの組曲。
・Matmos / Metallic Life Review
Readymade
「Bold」(’01)
フランスのJean-Philippe Verdinの独りユニット。
Underworld, Röyksoppのフランス公演の前座、Carl Craigのツアーに参加したりなどの経歴の持ち主。
Laurent Garnier設立のF Communicationsからのリリースの1st。
エレクトロニカ, テック・ハウスな1枚。
リミックスを手がけたなどの縁か、David Sylvianがボーカルで1曲参加。
David SylvianはPeacefrogからリリースの「Babilonia」(’05)にも参加してますね。(未聴)
・ Readymade / Breathe Part 1 + 2
・ Readymade featuring David Sylvian / Sugarfuel
Various Artists
「和モノ A to Z vol.1: Japanese Jazz Funk & Rare Groove 1968-1980」(’19)
’15のディスクガイド「和モノ A to Z Japanese Groove Disc Guide」の著者2人の選出によるコンピレーション。
尺八, 琴が前面に出たいかにも和な曲、メロや女性のスキャットで昭和歌謡っぽくなっている曲、ダブル・ドラムが印象的な曲、先入観もあるとは思いますがルパンの挿入曲みたいに聴こえる大野雄二の曲(実際には「野性の証明」(’78)のサントラでしたが)などなど、選者のセンスの良さが見える国内のジャズ~ジャズ・ロック~ファンクの全20曲。
「ルパン三世」,「キューティーハニー」,「化石の荒野」,「悪魔が来りて笛を吹く」,「うる星やつら」などのサントラからの選出が目立ちます。
「和モノ A to Z 」はシリーズで何枚か出ているようなので、見つけたら買いたい。
選出の1曲は、スネークマン・ショー「死ぬのは嫌だ、恐い。戦争反対 !」(’81)同様にお母さんに聴かれると恥ずかしい声が入った


・Monica Lassen and The Sounds / Incitation(嵩る心)
今回のお気に入りは 

DJ Spooky
「Within our Gates」(’15)
その昔に中古屋でジャケ見て「New Musical Score composed by Paul D. Miller aka DJ Spooky」とあったので、「DJ Spookyがサントラやってんの?!」と、海賊盤ぽかったも買った1枚。
米の「Within our Gates(邦題:我らが門の内にて)」(1920)のサイレント映画のサントラ。
アフリカ系アメリカ人の監督による映画で現存する最古のものと言われているようで、アメリカの人種問題を描いた映画のようです。
20世紀前半の黒人独立系映画(予告編, 短編, ドキュメンタリー映像, インタビュー, 長編映画など)をデジタル修復したDVDボックス・セット「Pioneers of African-American Cinema」(’15)と言うのがあるようなのですが、リリースの際に新たにDJ Spookyが音楽を当てているようです。
音楽単体では正式リリースされていなさそうなので、入手の盤はそれから音楽を吸い出した?海賊盤みたい。
基本的にクラシカルにジャジーにブルージーに非電子音の音楽ですが、時々ヒップ・ホップ・ビートが乗るのが新鮮です。
場面が変わる都度に音楽の表情も変わり、CDでは結果的に小品が連続する形になった15~20分の長尺4曲になっています。
youtubeに映画が落ちているのですが↓、白黒のサイレント映画の背景にこの音楽が流れているので、音楽がかなりの印象を残しますね。
・「Within our Gates(邦題:我らが門の内にて)」Music by DJ Spooky
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