先週の「音故知新」です![]()
Pedro Melo Alves
「Conundrum vol.I Itself through Disappearance」(’24)
ポルトガルのドラム奏者Pedro Melo Alves。
ドラム奏者らしくパーカッションが前面に出ている印象も、曲によりアコーディオン, ギター, ピアノ, チェロ, ハープ奏者などのゲストを迎えてのライブ音源。
ゲストの女性のスキャットや暗黒歌唱, 男性の語りのようなものが入る曲もありますが、基本的にはインストもの。
曲タイトルはライブの日付だけで、タイトルによる先入観は入らないので聴き手の想像に委ねられた、かなり実験くんなインプロもの。
・Pedro Melo Alves / May 13th, 2022
はっぴいえんど
「はっぴいえんど」(’70)
ご存知、細野さん, 大瀧詠一, 松本隆, 鈴木茂のはっぴいえんどの、ジャケ写から別名「ゆでめん」とも呼ばれる1st。
「ロックに日本語は合わない」と批判の強かった時代に、自分らが影響を受けたアメリカのロック, サウンドを自分たち日本人のものにしようと試行錯誤, 孤軍奮闘して作った「日本語による日本のロック」の1枚。
アルバム冒頭からの「お正月と言えば コタツを囲んで お雑煮を食べながら」みたいな、フォーク的な日本の情緒丸出しの日本語詞がロック畑の人からは拒否感があったのでしょう。
今となっては「なにそれ
」な日本語ロック論争ですが、そもそも「なにそれ
」と感じさせる時代になったのがはっぴいえんどの偉大な業績。
・はっぴいえんど / しんしんしん
・細野晴臣 / しんしんしん (@ 東京シャイネス)
The Octagon Man
「Itô Calculus」(’00)
Depth ChargeのJ. Saul Kaneの別名義での2ndアルバム。
Bizarre Incが一番稼ぎ頭だったであろうVinyl Solution傘下の自身のレーベルD.C. Recordingsからのリリース。
J. Saul Kaneらしいチープ感(けなしてない)漂いつつもダークなブレイクビーツ, エレクトロな盤ですが、実験的なモンドSFのサントラ感が漂う曲も。
ガラクタB級感溢れるDepth Charge名義の芸風の方が好き。
・The Octagon Man / Cess
Terry Riley
「In C」(’68)
現在は日本在住のミニマル・ミュージックの巨匠Terry Riley。
演奏者は以下の決まりに沿って演奏。
「53の短いパターンを反復, 連続して演奏」
「各演奏者が自身で反復頻度を決定」
「パターンは移調可」
「他の人の演奏を聴き、自分の演奏が流れにどんな影響を与えるか、自分の演奏が他の演奏とどのように関連しているかなどを考える」
「各演奏者がそれぞれ53パターン演奏しきった時点で演奏を止める」
「全演奏者が全パターン演奏しきった時点で曲は終了」
パターンがある程度決まっていても、各要素が各演奏者によって任意に変化して行くため、偶然な相互作用により単調ではなく多彩な形が現れては消えます。
アナログ盤では、A面1曲約24分, B面1曲約19分なのですが、上記のTerry Rileyによる趣旨, 指示に沿えばこれは全体の流れをCDで1曲として聴くべきでしょう。
CDでは実際にトラックは1曲のみですし、アナログ盤では当然あるはずのA面→B面の切れ目もどこなのか実際良く分かりません。
Jon Hassellがトランペットで参加し、Terry Riley自身もサックスを吹いてます。
Terry Rileyは、今年6月には90歳を祝うコンサート「Kronos Quartet plays with Terry Riley」の告知がFacebookなどで上がってたりしてたので行ってみたいのは山々だったのですが、神奈川だったもんなあ ![]()
・Terry Riley / In C
今回のお気に入りは ![]()
Underworld
「Beaucoup Fish」(’99)
ヘコいニュー・ウェーブ時代のアルバムを入れると5枚目、テクノ~クラブ寄りにシフト後の3枚目のアルバム。
前作「Second Toughest in the Infants」(’96)と併せ、完全にニュー・ウェーブ時代の黒歴史?を払拭し、Underworldとしての芸風を確立したアルバム。
イメチェンに大きな影響を与えたと考えられるDarren Emerson参加の最後のアルバム。
「Moaner」は、映画「Batman & Robin(邦題:バットマン&ロビン)」(’97)でも使用されていましたが、アルバムには違うバージョンが収録されています。
シングルにもなった「King of Snake」はDonna Summer「I feel Love」(’77)のベース・ラインが使用されており、Donna Summer, Giorgio Moroderがクレジットされています。
ちなみに今年’25年巳年のテクノ的年賀画像は「King of Snake」のジャケを引用。
’17に未発表曲やリミックスなどを収録した4枚組のSuper Deluxe Editionがリリースされています。
・Underworld / Shudder - King of Snake
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