パチンコ情報サイトを巡回していたら衝撃的な一文を見つけてしまう。

「雷電」
1990年から「パチンカーワールド」に連載。現在も「漫画パチンカー」で連載が続く長寿作品」1990年から
なんやこの長期連載作品。
ご存じない方のために説明すると、主人公の雷電さんは体内に「活動電流」というものを溜めて、自在に放出できるという能力を持っておられます。
人に触れて「むんっ!」と活動電流を流せば、そう。スタンガン効果で相手は気絶します。
これをなぜかパチンコ台に向けてやると、台がバチバチっと言った後に大当たりします。
大当り確定のリーチでも単発っぽいときに
「むんっ!」(バチバチっ)
これで確変に昇格します。素晴らしいですね。
勿論、マンガ的表現ですので、パチンコ台にスタンガンを押しつけたら大当たりするとか、確変に昇格するとかそんなことはあり得ませんのでご注意下さい。
そんな非現実的なマンガであるのに、こうも長期連載をできる理由といえば、僕が考えるに、やっぱりストーリーがしっかりしている、というところではないでしょうか。
ぶっちゃけ、パチンコ漫画雑誌に連載しているにもかかわらず、台の特徴や特性はほとんど語られません。
まあ語る必要はないんですけどね。どんな台でも「むんっ!」(バチバチ)大当り!となるわけですからw
じゃあパチンコ描写要らないじゃんとなるわけですが、おおまかな流れとしては
1.悪い人が何か悪いことをたくらむ
2.計画が途中まで上手く行くor途中で難航する
3.なぜか悪い人が気晴らしにパチンコ屋へ行く
4.なぜか雷電の横で打つ。そしてはまる
5.横で雷電が出すorクソリーチで「そんなリーチ当たらねーよwww」と悪い人がバカにするも「むんっ(ryで大当りする
6.悪い人が雷電にいちゃもんつける
7.店の外でケンカ → 人間スタンガンで気絶
8.なんやかんやあって悪い人が懲らしめられるor改心して( ;∀;) イイハナシダナー的展開
なんとなく気付いた人もいるんじゃないでしょうか。
そう。このわかりやすい勧善懲悪の流れ。

そう。あの国民的時代劇なのです(あえて京楽から画像を使う)
折しも、先日大ヒットした「半沢直樹」も水戸黄門的なわかりやすい勧善懲悪だからヒットした、という分析をされていましたね。
やはり日本人はこういうのが好きなんでしょう。
で、パチンコ・パチスロ好きな上にマンガ大好きな僕がにわか知識でパチンコ漫画を分析すると、おおよそパターンって分けられるんですよね。
1.主人公が一般人には到底真似のできない超能力で勝ちまくる&その勝利とは別に人間ドラマあり
2.新台を先打ちしたり、導入後データを公開したりといういわゆる実戦に役立つ情報配信
3.パチプロ・スロプロもしくは元パチプロ・ライターさんの立ち回りを漫画化
4.漫画家の実戦を漫画化
5.店長、店員の視点からパチンコを語る(2とは異なり人間ドラマ主体)
6.ギャグマンガ(4コマ漫画含む)
で、4の「漫画家の実戦を漫画化」については更に細分化され、
・○○的回転力とか釘がうんたらかんたらとか設定をしっかり判別する、ガチンコ系実戦記
・オカルト
の2つが大まかなところとなります。
で、こっからはオカルト漫画家の批判になるわけですが、ぶっちゃけ彼らも非常に可哀相な存在でもあるなと思うわけです。
なぜかと言えば、それ以外に漫画を作り上げる術を知らないと思われるからです。
例えば上記例の1番のように超人的スキルを持った主人公が大活躍をする、という漫画を描こうと思っても、下地として「その主人公が持つ能力をベースにした人間ドラマ」が無いと、ただの超能力者密着ドキュメントになるだけで、何の面白みもありません。
具体例を挙げますと
・それこそ最初に触れた雷電。むんっ!バチバチ→今日も3万勝ちかチョロいな。ではなく、わかりやすい悪人が悪行をして雷電にバチバチされてタイーホ、読者スッキリみたいな流れ
・ここでアドリブが効かねえヤツはうんたらかんたら→オチがキレイにつく
・俺が打とう・・・お前の金で・・・→人生を見つめ直す
みたいな。
上記例とは少し毛色が変わりますが、石山東吉先生の伝説の鬼作「ランブルアイズ」もこのパターン。
石山東吉先生と書いて「誰?」と思う人も多いかと思われますが

この画像を見れば「ああ、あの人か」とわかる人も多いでしょう。
この方、実は「聖闘士星矢」や「リングにかけろ」で有名な車田正美先生のアシスタントをしておられたんですね。
ここ最近はでご自身がくわえ煙草で脳みそポーンと飛ばす、ギャグタッチの実戦漫画が多かったのですが、劇画調の絵を描かせると

あぁ~いいですね~この1980年代バリバリの絵!
車田正美先生の影響がビシビシ感じられます。
で、話は戻りまして「ランブルアイズ」。
主人公・七瀬瞬は、左目だけにアフリカ人から見出された11.0という驚異の動体視力を持っている。彼は悪のパチスロ軍団・エンジェルバンプと戦ったが、そこに「渋谷カリスマ(通称渋カリ)」のリーダー榊が登場。瞬は榊とコインラッシュ対決をすることになる。
(引用元:つれづれなるマンガ感想文 )
なんですかねこの無茶な設定w
因みにスロットで勝つために11.0の驚異の動体視力がどこまで必要なのかw
・・・と思うでしょうが、瞬君は11.0の驚異の動体視力を駆使してガンガン小役を揃え、ガンガンボーナスを揃えてライバルと出玉勝負を行います。フラグ?ナニソレ美味しいの?
いやーちょうどこのランブルアイズが連載されていた2000年に僕も本格的にパチスロを打ち始めたので、かなり愛読していたんですよね。

ちなみにこちらがライバル榊の手下「鹿沼殺」。
いやーいいですね。このパッと見で感じる昭和の空気。
上の画像に比べて細眉になってるのは2000年効果でしょうか。
で、これは別段イイハナシとか人間ドラマとかあるわけでもなく、1980年代の王道バトルマンガ展開でスロットバトルを繰り広げるわけです。まあある意味人間ドラマ。
まあ当時はまだまだクランキーとか大花とか、ビタ押しできるできないで大きく差が開く機種が多かったから、主人公の設定もまだなんとか活かすことができた時代でもあります。
動体視力11.0でスロット勝ってた主人公が「中よ!右よ!よっしゃあ!」な現在の5号機時代にどのように勝っていくか、また別の意味で見てみたい気もします。
ランブルアイが涙目wwwとか言われるんでしょうね。
まあこのようなトンデモ設定で話を組み立てることができる反面、よっぽどキレイなパターンを作り上げ、それに適したキャラクターを産みだし、まとまったストーリーを描けなければ、あっという間に消えていきます。
ランブルアイズも残念ながら単行本1巻分で連載打ち切り終了となっていますし。
個人的にはぶっ飛び設定で暑苦しいスロバトルやってたこのマンガは、それこそ聖闘士星矢のノリで読めて好きだったんですけどね。
で、「じゃあストーリー練れないからその他のパターンでいくか」と思ったところで
2.新台を先打ちしたり、導入後データを公開したりといういわゆる実戦に役立つ情報配信
→ 今まで散々オカルトを啓蒙してきた弊害で新台先打ちさせてもらえる可能性が低い。
導入後データも同じく店舗が見せてくれる可能性が低い。
そもそも「やっぱり45の倍数は当たりやすい!」とか言ってる人に導入後データ見せたところで理解できるのか自体疑わしい。
3.パチプロ・スロプロもしくは元パチプロ・ライターさんの立ち回りを漫画化
→ 立ち回り以外の面をしっかり描写する必要がある。(例:しのけんさんのマンガ・星沼さんのマンガ等)
今まで散々「座ったら当たったー!」とか「プレミアだー」とか言って液晶画面描いて(そもそも描いてない説)適当に「今回の仮面ライダーは当たりやすい上に爆発力も凄い!」めでたしめでたし・・・をやってた人間がそんな深い人間ドラマ描けるはずもなく・・・
4.漫画家の実戦を漫画化
→ 今までやってきた事をやるだけ。ただオカルトを描かずにやれと言われた場合、オカルト漫画家達が面白いアナザーストーリーを交えながら描けるとは到底思えない。
5.店長、店員の視点からパチンコを語る(2とは異なり人間ドラマ主体)
→ 店長・店員こそオカルトを排除したがる人たち。そりゃそうだ。あたまをフル回転させて設定配分を考え、夜遅くまで釘を叩いて、お客さんが喜び、店舗にも利益が出るギリギリのラインを攻めてる人が
「うわーまた仮面ライダーメッチャ出てるー。あれデモ出しすると当たりやすいからきついわー」
とか言い出したら社長から即クビ切られるわ。
それはそれで見てみたいかもしれんけど。オカルト脳で店舗経営してガチンコプロ達とバトルする店長ドキュメントマンガ。アドリブ店長ともちょっとスタンス違うし。
6.ギャグマンガ(4コマ漫画含む)
→ ギャグセンス無いと無理。
まあある意味「デモ出しで即大当り!」とか「カニ歩き8台目で見事オスイチ!」とか言ってるのが最高のギャグとも言えるけど。
というわけで、長々と書いてきたけど、結論から言うとオカルトマンガ描いている漫画家さんは、もうそれしか描けない状態なんだと。
あれだけ好奇心の塊みたいにご自身を描かれる割に、同じ空間内に存在するスロットに一切タッチしようともしないってのも、やっぱり金にならないとわかっているからなんでしょうね。
あ、別に今回のブログ、特定の個人を批判しているわけじゃあないので。悪しからずw