今回の記事はできるだけ特定されないように、一般的な話として書きますので、わかりにくい部分があるかもしれませんが、ご了承ください。
かなりの確信を持って書いています。
最近聞いた話ですが、私の営業圏内で、栽培しているみかん畑の一部を無農薬みかんで出荷している方がいるようです。
それだけ聞けば結構なことですが、どうも裏があるようです。
その無農薬みかんは高齢化などを理由に離農した農家さんが「作ってくれないか」ということで、借りた畑のようです。
通常なら、そんな場合は普通に管理するんですが、その畑は新品種を植えるためにいつの日か改植する予定のようです。
改植するには平地に近ければ、ユンボを使って根こそぎ引っこ抜きますが、そんな時間の余裕もないということで、枯れるまでほったらかしにして、需要があれば無農薬みかんで出荷するんだそうです。
需要がなれば収穫もしません。
また、他の畑も借りる予定のようですから、もしかしたらその畑は無農薬のままいくのかもしれません。
当然のことならが、木は枯れていきますが、無農薬みかんの需要が供給量よりも少なければ、それでヨシとすることもあるでしょう。
また、無農薬みかんの需要が高まれば、今は空いていく畑なんてそこいらにありますから、新しく借りて無農薬にするだけです。
さて、ここまで書けばわかるでしょうが、無農薬と書けば言葉は良いですが、実態は「ほったらかし」です。
無農薬農産物で言えば、全国的に「奇跡のリンゴ」の木村さんが有名ですね。
つい先日も、ルビコンの決断で放送していましたから、知られた方も増えたことでしょう。
木村さんも、失敗続きでリンゴの木は枯れてしまいました。
それを、山のどんぐりの木からヒントを得て、山と同じ環境にすれば良いんだと気づいてから、やっとたどり着いたんです。
栽培がたどり着いても、無農薬リンゴを売るには普通に売っても絶対に売れません。
放送や本を読まれた方はご存知でしょうが、簡単に出来る話ではありません。
まさしく、命を懸けたわけです。
同じ無農薬でも前者と後者は全く違います。
結果が同じでも、経過が違うことがどれだけ問題かがわかるのではないでしょうか。
もちろん、末端で買うときはそんな経緯なんてわかりません。
無農薬というだけで、買う方もいるでしょう。
しかし、仮にその無農薬みかんが、木村さんの奇跡のリンゴと同じように捉えられてはあまりにも残念すぎます。
私がブログを始めたきっかけは、農家と消費者の壁をできるだけ低くしたいという思いでした。
ところが、あまりにも専門的になりすぎて、一般の方はわからないブログになっていますがA=´、`=)ゞ
みかん栽培を始めてからは、今までには絶対に知り合えなかったであろう方々と知り合うことができ、そこで農業の話をすることも増えました。
昨今では農業や食のことが注目を集めるようになりました。
結果だけは見ることも悪くはありませんが、その裏話や経緯を考えてみることも必要ではないでしょうか。
あなたは、この理念無き無農薬に賛同しますか?