ルビコンの決断、最近好きな番組です。
個人的にはドラマ仕立てになっているのが、非常に見やすいです。
先週は、ゴルフ界ではあまり実績の無いヨネックスがプロ宣言した石川遼選手となぜスポンサー契約できたかという話でした。
この中で私が共感したのは、石川サイドに契約金の提示をする際に、ヨネックス常務の黒子武氏が「かけ引きなしに、これです」と契約期間と金額を提示したことです。
以前に、「交渉とは」みたいな偉そうな記事を書いてしまったために気になっていました。
たかだか1時間くらいのテレビ番組では、話の核心までを知ることはできませんし、あの放送だけで全てを判断することはできませんが、筧利夫氏演じるプロ選手担当の主任・宇野一寿氏と石川遼くんとの人間関係はすでにできあがっているようでした。
ならば、あの金額提示の時に、かけ引きをしてしまうと逆にヨネックス側へ不信感を持たせてしまうことになります。
もちろん、プロが使う道具を提供するのですから、人間関係だけでどうにかなるものではありません。
しかしそれは遼くんとの昔からの付き合いでヨネックスの技術レベルは石川サイドに十分伝わっていたでしょう。
人間関係とは相互関係です。片思いだけでは成立しません。
ヨネックスが石川家に信頼を寄せるならば、石川側もヨネックスを信頼しなければいけません。
そこに下手な打算は必要ないもののはずです。
だからこそ、あの場面ではかけ引きなしに条件を提示することが「最低限必要」なのです。
あの黒子氏が、このように計算していたとは思えません。
これが計算ではなく、本心から出てくるからこそ、それが伝わるんです。
これが一つの交渉でしょう。