あまおう 栽培方法 | さかたのみかん

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みかん農家として独立したので、タイトルを変えました。
家業は相変わらず、肥料屋です。

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実は、イチゴ栽培、特にあまおう栽培について農家さんの取り組み方に関する提言をしようと思っていたんですが、それよりも私が思うところのあまおう栽培法を書いた方が早いし、ためになるんじゃないかと思い、今回は具体的な「あまおう栽培法」を書こうと思います。

あらかじめ断っておきますが、文章のために全てを書くことができません。
ヒントのようなものを書くつもりですので、具体的に知りたい方はお気軽にご連絡ください。

そして、仮にお知り合いの中に、あまおう生産者でお困りの方がいたら、教えてあげてください。
そのくらい、現在のあまおう生産者は窮地にあるんじゃないかと思っています。


まず、あまおうの問題点を整理します。

あまおうの問題点は一つしかありません。それは、「2番果の遅れ」です。
1番と2番の間が1ヶ月なんて当たり前、2ヶ月空くことも珍しくありません。

なぜ2番が空くのか?それはおそらく品種の特性と言ったところでしょう。

一番重要なのは、そのことへの対応です。
品種特性と諦めてしまうことはありません。あまおうの特性を考えれば、答えは出てきます。


1、なぜ遅れるのか?

答えは簡単です。

葉っぱが4枚以上で花がきているということです。
ご存知のように、イチゴの葉っぱは一枚が展開するのに、約1週間かかります。
あまおうの場合は、1週間~10日といったこところです。

つまりは葉が1枚増えれば、花が上がってくるのが1週間遅れるわけです。

2、なぜ葉数が増えるのか?

単純に樹勢が強くなってしまっているからです。

現在あまおうを栽培されている方の中には、「そんなに樹勢は強くないよ」と思われる方もいるかもしれませんが、その樹勢の強弱は作物や品種によって様々です。

3、ではどうすれば?

2番果の花芽分化期は、定植後の1ヶ月間です。
この間に、樹勢が勝ってしまうと花は飛んでしまいます。

樹勢を強くしないためには、元肥を減らすことです。
その量は、全面耕で最高10kg/反不耕起で5kg/反じゃないかと考えています。

更にこれだけ減らしても、早期に肥効が出てきても困ります。
そこで、この元肥に使用する肥料はぼかし肥料が最適だと考えます。出来るだけ窒素成分が低いものが良いですね。

ここまでは、元肥の面から考えました。


次に、地下部、つまりは根がどうなっているかを考えたいと思います。

みなさんは、定植後の水管理はどうしていますか?

定植後の2週間はたっぷりと水をやるでしょうが、その後の2週間はどうですか?

ほとんどやりませんか?あまり気にしていませんか?

結論から言えば、大事なのは定植2週間後からの水が非常に重要です。

定植後2週間は活着促進のために、どなたもたっぷりと水をやることだと思います。
しかしその後の2週間はほぼやらないか、やっても乾燥してからという方が多いことでしょう。

ご存知かどうかはわかりませんが、あまおうの根はとよのかに比べて、不定根が少なく、上根が多いんです。
更にイチゴの根は品種に限らず、乾燥に弱いんです。

だから、定植2週間後からの水を、毎日畝の表面が湿る程度やってください。毎日です。
これにより、乾燥して上根が枯れてしまうことを防止できます。

去年もそうでしたが、定植後でも結構な高温であり、乾燥が続くような気候になってきました。
今まで通りの水管理では不十分ではないかということを頭に入れておくことが必要ではないでしょうか。

このような管理の中で、発根材を1回で良いので使用してください。
とよのかの時の感覚のように、活着促進のために、何度となく発根材を与えることは止めてください。

発根材自体には窒素成分は含まれていないのがほとんどだと思いますが、根が必要以上に伸びていって、窒素を吸収してしまうと、これまた2番の遅れに繋がります。


次に苗の体内窒素量です。

福岡県特有の言葉で「早進株」という言葉があります。
2番があまりにも早く来る株のことです。程度の差はそれぞれにあると思いますが、1番と2番が同時のように出蕾するような株のことです。

これが出現するのは、偶然性が高いのではないかと思われています。ま、はっきりとは分からないと言った面もあります。

しかし、考え方次第では人間の管理が原因ということも言えるのではないでしょうか。

だいたい、お盆の前後に体内窒素量を計測します。
そこで、株冷もしくは夜冷に入れるまでに、窒素で追っていくのか、リン酸で追っていくのかを指導されます。

この体内窒素量は計測する時点で、結構な数の方がゼロもしくはゼロに近いのではないでしょうか。
ゼロの場合は、技術員からメリット青を散布するように指導があると思います。
しかし、それでは体内窒素量はほとんどあがりません。

「じゃ、潅注すれば?」となるでしょうが、それでもほとんど上がりません。

そんな中、時期が来ると、リン酸で追ったりします。
体内窒素がかなり低い状態でリン酸で追っていくと、樹勢が弱りすぎて一番が多く付きすぎたり、2番も早く来ます。
こんな管理の仕方が早進株を招いているということは考えられないでしょうか?

結局は、計測時にゼロということが良くないのではないかと思います。
体内窒素は計測時にはある程度の数字が必要であり、そこからリン酸で抑えていくくらいの管理の方が、ベターだと思うんです。


ちょっと文章がというか、なんだか中途半端のような気がしますが、ある程度のところで公開して、追記すると言う形をとりたいと思います。

この記事はブログのトップから常に見られるようにしておきます。
これから先に追記するようなことがあれば、その都度書いていきますので、よろしければチェックしてくださいね。