以前「直売所 その1」
(←リンク) で紹介させていただいたお客さんの所に行ってきました。
来年から観光農園をオープンさせるために今年からぶどう、トマトに加えていちごも栽培しようと言う話になっています。
そのいちごに関してお母さんと話をしていると、「息子がどれだけがんばるかが問題」ということをおっしゃっていました。
「そうですね」と言うと、「sakaturnさんからも強く言ってやってください」とおっしゃるんです。
聞けばその息子さんはいろんな付き合いが多いために、夜遅くなることが多いそうです。
もちろん、遅くなった次の日の朝は遅く起きます。それではトマトといちごの両方を栽培しても失敗するということでした。
つまりは私の方からもそんな生活態度から始まるいろんなことをはっきりと強く言ってくれということでした。
ここでその息子さんのことを簡単に紹介した方がいいでしょう。
年齢は25歳で就農してまだ間もないのです。結婚して去年生まれた息子さんもいらっしゃいます。
お父さんを早くに亡くしていて、家族の中で男は本人だけなので、自分が支えなきゃという気持ちは強いんです。
その気持ちからでしょうが、周りから聞いてくる話を単純に自分の所に当てはめようとして、お母さんと衝突する。
もちろん若いがために遊びもしたい。そんな息子さんです。
正直、私はその息子さんへの対応を迷っていました。
商売人とお客さんの関係だけなら、私としては商品を買ってもらえばそれでいいんですが、もちろんそんな薄い関係は私も望んでません。
しかしお母さんが言われるようなことまで干渉していいものだろうかと悩んでいました。
そのことをお母さんに素直に話してみると、
「先日、一緒にうどんを食べに行ったでしょう?
その時にあの子が支払いをしたそうだけど、本当は逆だと思うと言ったのよ。
そしたら、『俺はあの人にいろいろと教えてもらっているからその気持ちでごちそうした』って言ってたよ。
だからあの子はあなたのことをある意味頼っていると思うよ。」
「それに付き合っているお客さんに本当に良くなってもらおうと思うのなら、気づいたことは何でも言ってやるのが、親切心じゃないかな?
あなたにはそこまで期待しているし、そんな付き合いをしたいの」
とおっしゃるのです。
この言葉を聞いて勇気百倍になりました(^o^)丿
早速直売所に行き、息子さんに対応の仕方を悩んでいたこととこれからは「~さん」を「~君」に変えて、丁寧語も止め、自分が気づいたことは何でもズケズケ言うと宣言したんです。
すると息子さんはそれを快く受け入れてくれました。うれしかったです。(T_T)
手始めに
「ぶどうの管理に関してはお母さんがやってきたことを絶対的なものにした方が良い。
この10年間お母さんが一人で管理してきたのは事実だし、その基本を作ったのは亡くなったお父さんなのだから。
この基本がぐらついてしまうと、家自体がぐらついてしまう。だからお母さんが言うことは素直に聞き入れて。
家族は衝突してしまうと従業員よりもタチが悪くなる。しかし考えを一つにすると誰にも負けないような力を出すから。」
ということを伝えました。
それからしばらく話をしていたんですが、急にため口で話すのも中々話しにくいもので、二人で笑いながら途中からは今までとおりの話し方になっていました(^_^;)
今日の出来事は私自身、改めて気づかせていただきましたし、そこまで期待されていたことが商売人冥利に尽きる本当にうれしい出来事でした。
この農家さんとはタイトルにもしているように貴重な出会いをしたと強く思いました。