今回はぼかし肥料について書こうと思います。
うちが仕入れているぼかし肥料のことを中心に書きますから、疑問があれば気軽に質問してくださいね。
【ぼかし肥料について】
肥料成分と肥効調整機能を併せ持った肥料で、これだけで作物も栽培することが出来る総合機能
(N、P、K、Ca、微量要素、堆肥機能)の肥料です。
穏やかで安定した窒素肥効が持続する機能を活用し、窒素の効き方が品質に大きく影響する施設の果菜類や、果樹類及び花卉栽培等に適しています。
また、動物質、植物質原料にミネラル分として草木灰、パーム灰を加えて強制通気醗酵を施した
「発酵肥料」です。
ぼかし肥料が穏やかな肥効である理屈の1つとして、有機物を蛋白変換しそれを微生物に取り込み地中からの窒素として植物に取り込ませるため、徐々に効いていきます。
【ぼかし肥料の特徴】
1、「窒素肥効の出方が穏やかで鈍い反面、長期間肥効が持続する」
人間から見てすぐに効果があるということは、植物から見ると徒長しているということが
言えるのではないでしょうか
2、「作物の各栄養分の吸肥バランスが非常によくなる」
拮抗作用は心配じゃないの?という人もいるかもしれませんが、菌や微生物がいれば大丈夫です
3、「圃場の微生物相が安定し、圃場微生物の菌密度が高くなる」
嫌地化抑制(連作障害軽減対策)、土壌病害の軽減、
微生物代謝物による植物の生理活性作用の促進
4、「圃場に余分な残留物を残さない」
やはり微生物の働きにより、土壌中の残留物を分解します。
このことにより、地下水の汚染も防げます。
5、「圃場水分により窒素の効き方が大きく左右されない」
つまり、雨による窒素の効き方が他の肥料よりも穏やかである。
6、「堆肥に依存しない栽培が出来る」
このことにより圃場におけるリン酸やカリ過剰が改善されていきます。
以上がぼかし肥料の説明と特徴です。
実際にいちごのお客さんではぼかし肥料だけで、栽培している方はたくさんいらっしゃいます。
いちごで言えば、育苗のための肥料をぼかしにすると梅雨時でもあまり徒長しませんから、草丈の低いがっちりとした苗を作るのに貢献します。
ぼかし肥料は有機物で作る肥料ですから、基本的には窒素成分は5%くらいまでしか上がりません。
しかし果樹やお茶で使う場合はあまりにも窒素成分が低すぎるので、硫安や尿素を加えて成分調整した物が売られています。
最近は、天候不順が著しく起こるためにぼかし肥料の施用が施肥の中心になってきています。
「ぼかし肥料を試しにやってみたい」と思われたときには、まずは野菜に施肥してみると分かりやすいです。
実際に、白菜などの自家製の野菜に施肥したところ「病気が少ないみたい」とか「太り方が良い」などの効果があったために、いちごに大々的に使ったという農家さんもいらっしゃいます。
ちょっと分かりにくかったかもしれませんが、最初にも書いたように疑問がある方は気軽に質問してくださいね。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。