舟唄

 

♪お酒はヌルめの燗がいい

 肴はあぶったイカでいい♪

 

いい歌ですネ!

 

八代亜紀さんが歌う 舟唄 は、

なかなか正しいことを言っているようである。

酒はヌルめがよいそうである。ちなみに 肴もあぶったイカなんか、なかなか体によい合理的な食べもののようです!

 

ヌルめの酒がいい、といっているのは 江戸時代の学者 貝原益軒(かいばらえきけん)

健康・長寿について記した有名な著書「養生訓(ようじょうくん)」のなかで益軒は、

「冷たいのはよくないし、熱すぎるのもよくない」と、いっているのである。

 

冷たい酒は痰を集めて胃を損なう

だから酒は「ヌルい酒がいい」とはっきり言っている。

 

この「ヌルい」というのは、

極少しお燗をしたくらいの温かさをいいます!

 

 

ココでは、お酒の飲み頃の温度を考えてみたいと思います!

 

 

飲み頃の温度 

何故、温度が大切かということ 一般論だけでは飲み頃温度を語れません!

 

 

飲み頃温度の話

保管の温度については、冷蔵庫でなくても冷暗所で保管 

押入れの天袋やベランダなどはお酒にとってはイジメているのと同じです。

 

ワインセラーの語源は洞窟だそうで温度変化の少ない冷暗所としては最適な保管場所と言われています。

赤ワインは常温、白ワインは冷やしてなどよく言われますが、

保管場所が冷暗所で定温あること、ワインの産地で気候風土や建造物を前提とした常温を兼ね合わせて考えると高温多湿な日本では、先ほどの言葉をそのまま受け入れて25℃で飲むのが、常温だからよいとは言い切れないのですね。日本酒でも同様で「18℃くらいが常温としての飲みごろ温度だと考えても良いのではないでしょうか。

 

 

簡単にできる飲み頃温度のアドバイス

赤ワインの常温に対して白ワインは冷やして飲むのが良いとされています。

実はこの「冷やして」と言う言葉がクセモノなのです。4℃以下のものは「冷たくて美味しい」とは感じても、味そのものについては曖昧でなかなか理解しがたいです。例えば、ワインクーラーで壜の高さまで氷水に漬けたものは0℃ですから、これは「冷やして美味しいもの」を飲んでいるのではなく「冷たいもの」を飲んでいることになります。

 

では、冷やして飲むには何度くらいが良いかと言うと、これも日本酒の冷酒と同様で、7℃~13℃の温度帯が適温ではないでしょうか。冷暗所の温度は一般的に4℃くらいですので、冷暗所から取り出し、少し時間を置いて壜の表面に汗をかいた状態がこの飲みごろ温度になっている感じです。

 

冷酒の飲みごろ温度を維持するためには、冷やしたおしぼりで壜をくるんでおく程度でも良く、もしくはフライのバットや深めのお盆などに氷水を張って、壜底が2~3cm漬かるようにしておくと飲みごろ温度が比較的長い時間保てます。

 

 

お燗の適温 お好みによって様々

お燗については ぬる燗とか熱燗とか 言っていますが、実は5℃刻みで呼び名があります!

 

日向燗  30度ほど

人肌燗  35度ほど

ぬる燗  40度ほど

上 燗  45度ほど

熱 燗  50度ほど

飛切燗  55度以上

 

 

お燗は カンドコ と勘所がポイント!

お燗するに当たって一番ややこしいところで、気を付けなければならないのは 人肌燗 ぬる燗燗冷ましでは味は違ってしまうことで、一般的に燗冷ましで美味しいと思える思えるお酒は、間違いなく美味しいのです。こう言ってはなんですが個人的に、本当に美味しいと思えるお酒は「燗冷まし」でも美味しいのいです。

 

ただお熱いうちにどうぞと言うのも事実で、無理して燗冷ましにすることはありません。

では実際お燗酒の温度はどのように下がるのかと言いますとちょっと難しいです。お銚子徳利の注ぎ口の形や肩のライン、器の肉厚などマチマチに異なるので一概には言えないところです。55℃から35℃ぐらいまでは急激に温度が下がりますが、28℃ぐらいになると一旦落ち着いてしまい、そこからは元々が何度のお酒だったかに関係なく一定のスピードで冷めてしまう感じになります。

 

酒で飲む場合と違ってお燗酒で飲む場合は、

自分の好きな温度帯で飲んでしまうか、燗冷ましでも美味しいお酒を飲むのが良いようです。

 

 

お燗の味も工夫次第!

お燗の付け方にも色々ありますが、やっぱり湯煎が一番美味しく飲めることに間違いはないようです。電子レンジでチンするのも手っ取り早く便利ですが、この場合はコップの中に割り箸の一本でも良いですから、何かを入れて(立てて)おく方法が効果的です。

こうすることで熱の図り方が変化しコップの中に何も入れない時より極端に味の差が生まれます!

家でも簡単にできる方法として、コップ3杯にお酒を注いで、一杯はそのまま、二杯目は割箸を一本入れて、そして三杯目には棒の先に丸い球の付いたマドラーなどを入れ、電子レンジのターンテーブルの上に均等に置いてチンしてみてください。

全く味の違うことが簡単に判ります。

 

この場合避けていただきたいのが、小さな瓶入りのお酒を栓をしたまま、瓶ごとお湯にどぶ付けすることです。開栓しないままでも、一度お湯に漬けてお酒の温度が上がってしまった場合、その瓶のフタ(栓)は密封機能を失っています。見た目は栓がされているように見えますが実は空気が抜けて外気と混ざってしまっているのです。

 

これはお酒のフタ(栓)は、減圧状態で栓をすることによって閉じているものが多く、中身のお酒の温度を一度上げてしまえば、その時点で瓶の中は陽圧になって、フタが開いていなくても、密封密栓が施されていない状態になるためです。

具体的に言えば、ベビーフードのフタを密封性を確かめるためにポンと音がする事と同じ原理なのです。牛乳瓶の紙蓋と同じなのです。直ぐに飲むなら問題ないですが、フタは開いてなくても開いているのと同じ状態と言うことです。お酒なら風味は落ちますし劣化しやすいので、瓶のままお燗したなら直ぐに飲むようにしたほうがいいです。

 

 

燗ドコ の由来

料飲店ではお燗するのにお燗器を使うことが多いようですが、昔ながらにカンドコを使って湯煎してお燗酒を出してくれるお店もたくさんあります。このカンドコと言う言葉は一般的に使われているものですが一体どういう字を書くのか、いろいろと面白い話になっています。

 

@カンドコは辞書にも無く「ドウコ」とか「カン」で検索

ドウコ=銅製の壷を用いた水時計。漏刻。銅・鋳鉄などで作った湯沸かし器。かまどの側壁の中に塗り込みまたは長火鉢の灰中に埋めるなどして、そばにある火気を利用して、中に入れた水が沸くように仕掛けたもの。

@カンの意味

カン=グダグダになるほどよく煮る。または酒を温める。

@燗の部分の間の意味

本来は門+月と書きます。これは門のとびらの隙間から月の見えることを表す語句で二つに分けると言う意味を含んでいます。昔の人は火加減を門のすきまから月を見るようにそっと細やかに行うことが燗なのですと言いたかったのでしょう。また、本字の燗には、柔らかくなって粋や形がくずれるさまとあります。

カンドコロ→カンドコになったのではないでしょうか。(勝手な推理ですが・・・)

 

 

寒~い冬

自分好みの 燗酒 で美味しく召し上がってください!

 

 

・・・乾杯!