私は歯医者さんが苦手です。
できることならお世話になりたくない。
でも定期的に検診は行ったほうがいいのはわかっている。
そんな葛藤の繰り返しで、実際に歯に何かトラブルがあってから意を決して通います。
そして治療が一段落したら、これからはちゃんと通おうと思うのですが、
解放感でいっぱいで、時間が過ぎていくにつれ,
できる限り遠ざかりたい気持ちが勝ち、また葛藤を繰り返すことになるのです。。
まるで勉強が苦手な子どもと同じです。
できることなら勉強はしたくない。
でもしたほうがいいことはわかっている。
テスト直前になり、焦ってその場しのぎの勉強をしてみる。
これからは毎日少しずつ勉強するぞ、と思いはするものの、
テストから解放され、クラブや遊びに時間を費やすうちにまた同じことを繰り返す…
子どもの気持ち、よくわかります。
でもそんな私が、この1年歯医者さんに通っているのです。
それはひとえにある歯科衛生士のお姉さんのおかげです。
ある日、仕方なく歯医者さんに行くことになりました。
初めてのところなので不安でいっぱい。
痛いことをされる覚悟をして行きました。
ところが・・
受付の女性の方の気さくな笑顔に、まず一安心。
そして治療台に座ってから、歯科衛生士さんが笑顔で優しく話しかけてくれました。
世間話をしながら、普段は医者さんは苦手で遠ざかっていることも正直に話せました。
そして、「そうですよね、なかなか歯医者が好きな人はいませんから、きっかけがないと難しいですよね。でも今来てもらって良かったです。」
と言ってくれました。
私の気持ちわかってくれてる!
治療はもちろん多少痛かったですが、治療前に気持ちが安らいだことで、苦痛は軽減されたと思います。
そして、歯磨きの仕方、おすすめの私にあった歯ブラシや、これからどうしていけばいいのかを具体的に教えていただきました。
うまくできてるかどうかのチェックもかねて、○○くらいに来れますか?という言われたので、次回の予約をお願いしました。
先日、数か月ぶりに行ってきましたが、
「ちゃんと磨けてますね。この調子で頑張ってくださいね。」
と言われました。
当然私は、また次回まで頑張ろう、ちょっと面倒になっていた気持ちがぐんと前向きに変わりました。
これもまた勉強と同じだと思いました。
勉強が苦手で塾に通うことに不安を感じている子どもたちに、まずは勉強前に不安を取り除いてあげる。
何でも話せるような関係を築きたいということを子どもに伝える。
子どもの気持ちをまずは考える。
一回一回の勉強で、できた、よかった、という実感を共有し、うまくいっていることを伝えて認めてあげる。
次はどうしたらいいのか期待感につなげてあげる。
私たちの仕事と同じです。
歯医者さんに行くのも、塾に行くのも、自分のためです。
それはわかっているけど、心がついていかない。
そんな気持ちを前向きに変えていくのは、もちろん最終的には自分ですが、サポートの力は大きいし必要なんだと思いました。
身をもって、学ばせていただきました。