写真:NHKアーカイブスより

 

さよなら、さよなら、さよなら。

 

 

いきなり最初からお別れの挨拶、

 

どうしたのよ!

 

ふとね、最近映画観てないなぁ、

 

と思ったりして、

 

急に映画評論家の淀川長治さんを思い出した。

 

あの方の解説は、

 

日曜洋画劇場の映画が終わると、

 

淀川さんがパッと出てきて、

 

「さあ、みなさん!」「スゴいですねぇ!」

 

と映画の一コマ一コマが言葉で再現され、

 

あらためて光り輝く、

 

映画の中身もさることながら

 

淀川さんのあの活舌とイキイキした表情が楽しみで、

 

日曜の夜の映画劇場が、

 

観ている人は満員の映画館の

 

ど真ん中にいるような、

 

そんな気がして楽しんでいたんじゃないかな。

 

そして、一通りの解説が終わると、

 

「それでは、皆さん。また来週」

 

サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

 

という挨拶で終わったのだった。

 

そんなことが恒例で、

 

淀川さんは、サヨナラおじさんと呼ばれたりしていたね。

 

 

気になってちょっと調べてみたら、

 

淀川さんは、「さよなら」という言葉が大好きだったという。

 

別れの挨拶の言葉だけど、

 

その中に、再開の約束、みたいな意味を含んでいたらしい。

 

「サヨナラ」の中に「また逢いましょう」という隠れた意味を含んでいたという。

 

そういえば、たまーに道端立っていると、

 

小さな子供、お母さんに乳母車に乗せられた小さな子供が、

 

「サヨーーーナラーーー」と挨拶してくることがある。

 

その時は、ぼくも「サヨナラーー」と挨拶を返す。

 

そんな時は、見知らぬ自分に挨拶してくれるのはうれしいけど、

 

最初から「サヨナラ、かーー」と、

 

ちょっと淋しいなと思ったりしていたんだけど、

 

淀川さんのサヨナラの意味を知って、

 

今まで挨拶してくれた子供たちが、

 

とてもうれしくなった。

 

 

そういえば、

 

薬師丸ひろ子が歌っていた

 

「セーラー服と機関銃」という映画の歌の出だしの歌詞こうだった。

 

  サヨナラは別れの言葉じゃなくて、

 

  再び逢うまでの遠い約束

 

 

サヨナラおじさんの淀川さんは、

 

そんな思いで、映画を語っていたんだね。

 

映画のエンディングの「THE END」が、

 

終わりじゃなくて「じゃあ、またね」という風に見ていた、

 

と言っていた。

 

 

長い尺の映画、アクションも、漫画も、ドキュメントも、

 

ドラマ、ドラマ、ドラマ、

 

主演の役者はもとより、

 

裏に隠れた大勢のスタッフにささえられて作られた

 

闇の中に生きる光の芸術、

 

映画、映画、映画、

 

「いやーー、映画って、ホントにいいものですね」

 

 

最近、同年代の友人があちらの方へいなくなったりして、

 

ちょいとショボクレていたいたけど、

 

それも、また遭う日までのちょびっと遠い約束、ってことで。

 

 

サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

 

 

THE END

 

またねーーー(@^^)/~~~

 

参考:NHKアーカイブス