アマゾンプライムで映画「ハチ」を見た。
リチャードギア主演。
だが実際は、秋田犬のハチが主演なのだ。
原題として渋谷の駅前に銅像があるハチ公の実話がモチーフである。
犬の目線が描かれていて、低くモノクロなシーンがハチの目線だ。
主人を待つ駅で行き交う人々。話しかけてくる人たち。
見ているうちに、小学生の頃飼っていた仔犬のことを思い出した。
お金がなかったのか、ケチっていたのか、首を結ぶのはビニールの紐だった。
その仔犬は、ある日学校に通う間にビニールを噛み切って家出してしまった。
学校から帰り、犬の住処だった家の物置小屋に犬がいないのを見て、
僕は焦って探しに行った。
近くの森、割と近くの通っている学校の校庭、
近所の同級生や友達から、犬を見た、という話を聞いて探し回った。
結局見つからなかった。
翌日の学校に行って、朝のクラスのあいさつで、犬について友人に見なかったか?
と聞いた。
クラスメイトからも校庭で犬を見た、と聞いた。
それからしばらく探したと思うが、次第に諦めた。
ハチの映画を見て、犬の思っている目の前の映像、があることを改めて知った。
当たり前だ。犬には犬の世界がある。
けれど、あの仔犬は、主人である小学生の僕を探しにビニール紐を噛み切って
臭いをたどって学校へいったのだろう。
そして、僕を探して探して、僕は僕で、彼を探して(そういえば雄かメスか、わかんない、けど)
そして、ずっと、何十年もたって、今、僕は映画のハチを見た。
あの犬、名前なんてつけたっけ?
チビ、だったかな?
チビ、ずっと待ってたんだろう。
ハチがご主人をじっと駅前で見詰めていたように。
ごめん、
今さらながら、謝る。
おっと、犬の目についてググってたら
写真家の森山大道さんをめっけた。
また次に。