この春、ようやく恩師の遺作となった本が発刊された。
これを出す為に奥様どれほどご苦労された事か。
しかも、この手の本は一般受けしないからなかなか売上は見込めない。ほぼ持出しの出版だと思う。
私は、恩師の文章が好きだ。
先生はクネクネ体の文章といい、編集者さんはちょっとわかりにくい、って言う文章なんだが、だからこそ、そこに先生の言葉に対する真剣な眼差しが感じられて文章読みながら、講義中の話が聞こえてくるようなのだ。
卒業して早30年。
でも本を開くと、あの木漏れ日の当たる校舎の、昼下がりの講義の、先生がそこに立ってる情景が浮かんでくるし、あの優しい声で読んでもらってる気がする。
なので、ずーっと恩師の本の一節を書きたいと思っている。
何回も、幾つかの文章にトライしているのだが、なかなか作品にまではならない。
ギョーム9世の後朝の歌
これはまぁまぁに作品になった。恩師に写真をお見せしたら、目を細めながら、いい雰囲気だねと喜んでくれた。
いつかいつか
中世の秋を書きたい
ヴィヨン遺言詩を書きたい
今回遺作、閑吟集から一節を試みに書いてみた。
まだまだ作品にはならないけれど、書いていて楽しい。
あと2週間で形になるかなあ?
奥様に喜んでもらえたら嬉しいな。