先日、お習字の生徒のおばさまから、先生欲がなさ過ぎる!もっと欲を出せば先生の力があったら、生徒も集まるし、有名になってるよ。だそうな。

 そうかねぇ?たぶん無理だな。


 確かに師匠にも言われるんだ。もっと上を目指せ!って、でもね、その上って組織の地位でも、生徒数でも、賞を取るでも無いの、私にとって。

 納得がいく技術を身に着け、書道に関する知識をしっかり学ぶ、そして本物の書を見極めるただそれだけ。その努力はちょっとずつだけどしているつもりだ。


 そんな私のお稽古は皆んな同じスタンス。

 バレエも、スケートも、ただ点数が欲しいでも、早く技を覚えたいでも、ましてやそれを収入に結びつけたいでもない

 只管、正しい技術を身に着けて、その実技にちゃんとした知識や理論を結びつけたいとアレコレ実験したり解剖学、運動理論なんていう本を読んだりしているのだ。


 バレエの時間、ドS先生は時折知識に関する質問をクラス全員にする。1人ずつ指名の時はたいてい私は最後、全員に聞く時は私に言わないでね!って先に断りが入る。あるいは先生がど忘れした時、私に振られたりする。

 一番勉強してるからね!って先生


 スケートでも、K先生に本当によく説明を聞いているし、言われた事をきちんと練習するよね。正しい方法で、正確に1つ1つ覚えようとする姿勢感心します。って


 確かに、バレエはとにかく一番クラスの下だから、皆んなに着いて行く為にバレエの動きと名前とフランス語の意味を覚えたり、バリエーションを踊る際どういう役で、どんなシーンで、その音や動きの意味や、それら背景を学ばねば、って何回も何回もビデオを見た。

 体にコンプレックスが沢山あるから、どうしたらバレエらしくなる?先生の注意はどうしたら治せる?その為に、解剖学を学んだ。

 ケガのリハビリ等の為に、自己ケアを習い、とにかく毎日やり続けた。


 スケートは、ユヅ君のジャッジスコアをしっかりとわかりたい!その思いから、実際自分も滑ってどういう事か体で知りたかったし、知識として先生方の滑りを見ながら勉強したかった。その上で今は、自分がユヅ君みたいに滑るにはどういう動きが正しいのか知りたくて頑張っている。


 あまりに出来ない自分、言う事聞かない体、ままならぬからこそ努力し続けている。

 人生の中で間違いなく今が一番努力してるよ、私。

 それは、自己満足以外の何ものでもない。けっしてお金や地位や、名声が欲しいとかじゃないんだな。だから無駄っちゃ無駄さね。

 でもでもいいじゃん。

 所詮人生なんて皆んな無駄さ。