鹿害 | 6月なんよ

鹿害


京都府立植物園で“芦生の森”についての講演会があったので行ってきた。
内容は芦生研究林の概要と芦生研究林の植物だったが、鹿害について切実に話しをされていた。

京都の北端にある“芦生の森”は由良川源流の浸食で凹凸が出来ている本来自然豊かな低山帯だが、広範囲で林床の裸地化が目立っている。
裸地化とは下層植生の笹や草花が無くなり、地表が現れる現象を指す。
パッと見、公園化した風景は見通しが良く、歩き易いが、裸地化は植物種の減少の他、樹木の弱体化等、自然環境にマイナス影響を与える。

芦生の森は風前の灯火である。

このように下層植物が消えてしまった現象の主原因は鹿による食害であると言う。



この問題は芦生に限ったことだけでは無いかもしれないが、では芦生で何故ここ十数年のうちにそんな下層植物が一面、食べ尽くされるぐらい鹿が増えてしまったのだろうか?



人々は豊かな生活ができ、暮らし易くなってきたのと同じで、鹿達にとっても暮らし易くなったのだろうか?

そう言う観点で芦生を見ると、鹿達が暮らし易くなったのは鹿達が移動し易くなったからではないかと思う。
芦生という山深く幽閉された原生林の山域から 、“密閉性”が無くなっているのではないか?



自分の感想だが、
芦生は所詮、里山である。
ここ20年ぐらいで芦生周辺の環境の変化を感じるのだが、、

例えば、雲海の撮影で名所化した“おにゅう峠”、本来の峠に被せて開発された林道のことだが、それにとどまらず、地味に芦生に隣接する福井県側名田庄の久田川、虫谷、堂本川の林道もかなり充実した。20年前、その当時は壮絶な笹漕ぎだったが、その頃、林道が新しく奥へ奥へ延びていったのを覚えている。

昔と比べ、積雪量が減ってきている中、芦生周辺の林道が延びていったことにより、芦生の密閉性が薄れていったのではないか?
勿論芦生内にも林道はあるが、周辺環境から中へ入り易く、外へ出易く、開けてきたのが原因かと思う。
あくまで勝手な推測の話しだが。

繰り返すが、所詮、里山であるから、ポツンと一地域だけ原生林を保ち続けるのは無理が有り、環境破壊の浸食は必須の理なのだろうか。

という悲壮感たっぷりの感想になってしました。



この後、用があるCD氏と別れ、
最終的にあめやんと飲みに行ったが、
芦生のことは語らず、今回もあめやんの仕事相談が酒のつまみとなったのであった・・・


ビールが美味い~

カワハギの刺身が美味い~