KILL MOTHER FUCKER/幻覚
1. SPEEDアレルギー
2. JAPANESE TRASH
3. DEBUT
4. MERRY-GO-ROUND
5. チョコレート中毒
幻覚にとって初のCD作品となるセルフカヴァーミニアルバム。
Vo.SCEANAさんが在籍していた幻覚アレルギーの後継プロジェクトとして、2020年に立ち上げられた幻覚。
本作は、幻覚アレルギーの代表曲を現在のメンバーにてレコーディングした作品となります。
制作時の布陣は、Vo.SCEANA、Gt.Shu、Ba.SEIICHI、Dr.HINAの４人。
SCEANAさんとともに幻覚アレルギーのメンバーであったKAZZYさんは不参加となりますが、始動当初は監修として関わるなど公認ではある様子で、本作においてもスペシャルサンクスに名を連ねていました。
時間が経って丸くなる。
スピード感のある楽曲がミディアム調になってしまう、といった極端な改変はなくても、フレーズに凝るために速度が犠牲になることは本人の意志とは裏腹にしばしば発生してしまうものです。
しかしながら、彼らの場合は、そんな心配は無用だったな、と。
速い、激しい、止まらない。
なんなら、若さ溢れる現役時代よりも衝動性に溢れているのでは、と思うほどなのですよ。
更に付け加えるなら、それでいて上手い。
速さの中にテクニカルなフレーズを忍ばせるShuさんのギター。
グルーヴ感を損なわないギリギリのラインを攻め切るSEIICHIさんのベース。
重さの点で物足りなさを感じさせないパワフルさを放つHINAさんのドラム。
そして、ゴリゴリのサウンドにも埋もれずに主張するSCEANAさんの歌声。
ハードコアに特化した音楽性で、ここまで隙のない演奏というのも珍しいのでは。
なお、裏ジャケットや、ブックレット内の歌詞等、反転された鏡文字を使用。
やや読みにくさはありますが、インパクトを与えるアートワークは衝撃的でした。
「SPEEDアレルギー」から「チョコレート中毒」まで、全５曲のミニアルバムを、僅か17分で走り切る怒涛の勢い。
幻覚アレルギーを知っていようが知っていまいが、耳にすれば刺激を受けること間違いなしの１枚です。