THE LAST ROCKSTARS / THE LAST ROCKSTARS | 安眠妨害水族館

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THE LAST ROCKSTARS(PARIS MIX)/THE LAST ROCKSTARS

 

1. THE LAST ROCKSTARS(PARIS MIX)

 

X JAPANのDr.YOSHIKI、L’Arc~en~CielのVo.HYDE、LUNA SEA、X JAPANのGt.SUGIZO、ソロアーティストとして世界進出を果たしたGt.MIYAVIによる、 THE LAST ROCKSTARSによるデビューシングル。

 

YOSHIKIさん自らが作詞・作曲を手掛けた、セルフタイトル曲。

その触れ込みだけでも、聴かない手はないと思わせるのが、12月23日に正式発表された「THE LAST ROCKSTARS」。

世界規模で活躍するヴィジュアル系のドリームチームとして結成時から注目を集める彼らですが、良くも悪くもバンド名が放つインパクトが大きく、音楽性はまだまだベールに包まれていたのが実態でした。

 

一発目として彼らが選んだのは、踊れるロック。

クラシカルなピアノからのスタートが、いかにもYOSHIKIさんらしいのですが、唐突に差し込まれる"Bigidin Bigidin Ban Ban Ban"というフレーズが、意外性を与えるとともに強烈に耳に残るのですよ。

クラシックとバンドサウンドが、更にエレクトロとも融合。

近未来的な世界観のもと、艶やかかつ伸びやかなHYDEさんの歌声が、無限の広がりを表現していく気持ち良さは、何物にも代えられません。

 

メロディの置き方や、全編英詞で書かれた歌詞など、意識はやはり海外に向いているのかな。

こういう格好良さもあるのか、と新たな世界を見に行っているようなワクワク感。

SNSを活用したリスナー層拡大に向けて、これ以上ないフレーズを持ってくるセンスや先見性も、さすがとしか言いようがありません。

とはいえ、最後にちらっと本音を挟むと、ツインギターの見せ場が限定的になっていることや、日本のヴィジュアルシーンの中で生まれた叙情的なメロディアス性が意図的に削がれていることについては、正直、もったいないなと思ってしまう。

まだまだYOSHIKIさんの色と、他の個性をバチバチにぶつけるまでは至っていない印象ですし、彼らの潜在能力があれば、絶対にこんなものではないでしょう、と。

 

もっとも、まだたった1曲が発表されただけ。

プレビューが公開されている「PSYCHO LOVE」はニュアンスが異なりそうですし、楽曲が出揃ってきたときに、この楽曲がどういう位置づけになっているのか、今は楽しみが勝っています。

少なくとも、結成が発表されただけで楽曲が一向に出ない、なんてことがなくて良かったな。

シーンが盛り上がる起爆剤になってほしい1曲。