セイメイロンリイダイタイアイタイ/Dali
1. マイン
2. 繊維に閉じ込めた春
3. ソラ0.8mg
4. SンセーショナルEモーション
5.
2013年に解散となるも、2022年になってOSAKA MUSEでのライブ出演が発表されたDaliによるシングル。
本作は2011年、DVD付きのTYPE Aと、「ソラ0.8mg」を追加収録したTYPE Bの2種類でのリリースされました。
UNDER CODE PRODUCTIONに所属していた彼らですが、レーベル内でも際立ってアート性が高かったのが後期Daliの大きな特徴。
本編のクロージングとなるSEに、「SンセーショナルEモーション」なんてタイトルをつけてしまうセンスが、端的に彼らの魅力を表現していたのでは。
ヘヴィネスすら感じさせるバンドサウンドと、世界観重視のメロディラインのギャップが、彼らの個性を主張する「マイン」。
文学的な歌詞を用いながら、サウンド的には歪みを強めて激しく展開する「繊維に閉じ込めた春」。
近くにあるようで、対極的であるようにも見える不思議な2曲をメインに据えて、彼らの持ち味をリスナーに叩きつけたといったところです。
更に、ボーナストラックとなる「ソラ0.8mg」は、空間を意識した音使いと、ポップさを強めた歌メロで、彼らのアーティスティックな感性を最大限に高めた楽曲に仕上がっており、これが入ったことで、ボリューム的にも、音楽性の幅を示す意味でも、充実度は増していますね。
また、シアトリカルなSE「SンセーショナルEモーション」で綺麗に締めたと思いきや、前身バンドであるシュガーフォークフルの楽曲である「号外」を、まさかのリテイク。
後期のDaliでこれをやるか、という発狂シャウトとハードな演奏でカオティックに構成したコテコテチューンとなっており、下手に世界観モノに再構築しなかったことに、かえって好感が持てると言えるでしょう。
メンバーにとっては、その後の活動によって顕著になる新しい個性を上乗せしていく過渡期的な位置づけになるのかもしれませんが、ダークバンドとしての出自も否定せず、すべて引き連れて次のフェーズに進もうとしていた彼ら。
初期の彼らしか触れていない、というのはもったいないので、後期のDaliを是非聴いてほしいな、と。
<過去のDaliに関するレビュー>