刻/渇き/Petit Brabancon
1. 刻
2. 渇き
3. OBEY
クリスマスイヴにリリースされた、Petit BrabanconのダブルAサイド・デジタルシングル。
DIR EN GREY、sukekiyoのVo.京と、L'Arc~en~CielのDr.yukihiroを中心に結成。
その他のメンバーも、MUCCのGt.ミヤ、Tokyo ShoegazerのGt.antz、THE NOVEMBERSのBa.高松浩史と、そのドリームチームっぷりが話題となったPetit Brabancon。
プロモーション映像撮影を兼ねた初の単独公演が、29席限定で開催されることでも注目を集めています。
本作は、3曲入りとなる初音源。
いずれも、京さんが作詩、ミヤさんが作曲を担当していました。
ニューメタルを軸に、オルタナやプログレ、歌謡曲なんかも織り込んで、世界基準のアンダーグラウンドとも言える独自の世界観に昇華。
MUCCのサウンドに通じる部分もあれば、京さんらしい歌い回しも見られ、本当にこのメンバーがバンドを組んだのだな、と聴けば聴くほど実感となってテンションが高まるのですよ。
邪悪なハードチューンとの相性が未知数だったyukihiroさんも、蓋を開けてみれば、テクニカルかつ正確なドラムプレイはメタリックな音像にも映えていて、それぞれのサイドプロジェクトとして捉えるには本気度が高すぎます。
あくまで"新バンド"であるというパッションの強さ、衝動性の鋭さ。
「刻」は、アート性を高めつつ、ドラマティックに変遷していくナンバー。
サビのメロディは、いかにもミヤ節が強く出ているなといったところで、MUCCとのヴォーカルアプローチの違いが、かえって新鮮。
興味深い化学反応を見せると、もう1曲のリードトラック、「渇き」は、京さんの真骨頂と言えるハイトーンの歌い分けが圧巻。
ヘヴィネスに振り切って、内向的な歌詞を激情的に叫びます。
「OBEY」は、カップリングという位置づけでよいのかな。
彼ら流のパーティーチューンといった雰囲気で、こんな曲もやってくれるんだ、という面白さがありますね。
期待を裏切らない完成度。
いきなり3曲も出してきたという嬉しさと、それでも、まだ全貌は見せていないというワクワク感が共存し、いずれにしても次の展開が待ちきれません。
Petit Brabanconが送る、ダークなクリスマスプレゼント。