himori records 4月号/himori records
1. そーしょく系男子 / トキノサイハテ
2. 桜 / トキノサイハテ
3. 証 / トキノサイハテ
4. シンフォニー / DENGEN
5. violent road / DENGEN
6. A WISH / DENGEN
Jin-Machineのギタリスト、マジョリカ・マジョルカ・マジカル☆ひもりさんによるソロ音源集。
2019年4月20日に開催された「himori records主催 ひもりフェス(仮)vol.0」にて販売された限定CDです。
ひとりぼっち系でっちあげレーベル、himori records。
そもそもJin-Machineが幅広く何でもこなすバンドではあるのですが、それはメインコンポーザーである彼の音楽の守備範囲の広さのたまもの。
ソロプロジェクトにしたって、ひとつのコンセプト、ひとつの音楽性では収まらなかった結果、複数のプロジェクトが在籍するレーベルという設定にしてしまったのが面白いですね。
本作に収録されているのは、コテコテのヴィジュアル系を再現したトキノサイハテと、過去にGt&Voで所属していたDENGENの楽曲を復刻したものを3曲ずつ。
ジャケットや歌詞カードは特になく、CDRをノート紙で挟んだものに、手書きで「himori records 4月号」とだけ書かれています。
予定枚数を超えての販売となり、その場で焼いていたとのことだったので、事前に準備されていたものはもっとちゃんとした作りだったりするのかしら。
「そーしょく系男子」は、2013年の「ワンマンミサTOUR 消極的(仮)」にてソロ曲として披露されていた楽曲。
ネタ企画としては完成度が高すぎないかと思っていたものの、そのままJin-Machineではフェードアウト。
まさかこのタイミングで耳にすることになるとは、といったところで嬉しい誤算です。
サウンド的には現在のJin-Machineに近い気がするので、オケは作り直しているのでしょうか。
「桜」は過去にデモバージョンを聴いたことがあったのですが、再録されており、音質は大幅に向上しています。
コンセプトに対して、序盤はポップすぎるきらいもあるものの、サビになるとたまらないセツナ系の美メロが。
一方で、「証」はサビまでの展開がソリッドで激しさ重視なのだが、サビで開けてキャッチーになるという正反対のアプローチ。
もともとはボーカリストだったこともあり、ひもりさんの綴る歌詞や歌メロも、なかなかに個性があって良いですな。
後半は、V系シーンに踏み込む前に組んでいたバンドの楽曲ということで、ガラっと様相が変わります。
シンプルなギターロックサウンドで、素朴なメロディと胸を打つ歌詞で勝負。
淡々と切なさを駆り立てる「シンフォニー」、ミディアム調のポップロック「violent road」、ライブでラストに演奏されていそうな「A WISH」と、それぞれタイプは異なりますが、単純に"良い曲"だな、と。
「A WISH」は、2015年に長町RIPPLEにて開催された「Odeur de pet.」のオープニングアクトとしてDENGENが1日復活した際にも演奏されており、それ以降耳に残っていたほどのキャッチーさ。
これまた、個人的には嬉しい音源化でした。
ボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード…
すべてをひとりでこなすマルチプレイヤーで、作詞・作曲もこなして、しかもこれだけ多作。
本バンドをやりながら、ソロ活動は細々とやるに留まっていますが、もっと表に出てきても良いのでは、というほどのクオリティです。
この作品についても、実質的にレアアイテムとなってしまっており、優越感以上にもったいない気持ちが強い。
何かの拍子で正式音源化しないかな、という1枚。