POIDOL-EP/POIDOL
POIDOL-EP 2nd PRESS
1,058円
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1. 夜な夜なバカを見る
2. アイオライト
3. Pinkie In The Dark
4. LIVING DEAD.
アルルカン、ペンタゴンが所属するGOEMON RECORDSの新人バンド、POIDOL。
本作は、初の流通音源となった1stEPです。
衝撃的だったのは、その戦略。
先輩となる2バンドの成功例に則って、ライカエジソンのショッピングバッグに配布CDを混入させる。
ここまでは既定路線とも言えたのですが、その次の一手として、複数のCDショップで、ゲリラ的にブースを設置してEPを配布。
あっという間に1,000枚を配りきってしまいます。
手に入らなかったという声を受けて、2nd Press盤を流通音源化したのが、この「POIDOL-EP」。
即日配布完了させて知名度を高め、ニーズを高めたうえで救済策も用意する。
マーケティング的に上手くハマったなぁ、と。
さて、音楽性としては、GOEMON RECORDS所属のバンドということで、レーベルの色が出ていますね。
ダンサブルな同期を上手く使って、激しさもメロディアスさも求めた、現代における王道路線。
そこからどのような色付けをしていくか、差異化、個性化していくかという部分は未知数ですが、まずは名前を売るという割り切りのもと、ライブの方向感が掴めることを重視しているのでしょう。
「夜な夜なバカを見る」と「アイオライト」は、ショッピングバッグに混入されていたCDに収録されていた2曲。
特に「アイオライト」はリリックビデオも公開されており、代表曲となっていくのかな。
前者は踊れそうなノリの良さと、シニカルな歌詞もバランスが絶妙。
一度聴いたら忘れられないキャッチー性を持っており、後者は勢いで畳みかけるメロディの応酬が気持ち良い疾走チューン。
端的に言えば、アルルカンとペンタゴンのおいしいところどりで、狙いは明確です。
「POIDOL-EP」として追加されたのは、踊れるというポイントを更に突き詰めたデジタルナンバーである「Pinkie In The Dark」と、ゴージャスな同期と激しい生楽器の演奏がせめぎ合う「LIVING DEAD.」。
それぞれ、「夜な夜なバカを見る」と「アイオライト」の延長線上といったところで、先述のとおり、幅を広げるよりも足元を固めるイメージです。
ただし、「LIVING DEAD.」が個人的にツボ。
同期のフレーズにはフックがあるし、サビのインパクトも抜群でした。
この曲がある以上、ショッピングバッグのほうを聴いたから「POIDOL-EP」は放っておいてもいいや、とはならないのですよ。
ちなみに、知名度を高めたもうひとつの理由となったのがバンド名。
というのも、90年代後半~00年代初頭に活動していた名古屋バンド、Poisonous Dollの略称、"ポイドル"と被っていたから。
当然ながら、直接的な関係があるわけでも、音楽性の影響を受けているわけでもなさそうで、昔のように、先輩バンドにあやかって同じ名前をつけるという文化の一環ではないのでご留意を。
ヴィヴィッド、ジルドレイ、ラミエル…
いずれも表記やスペルが違うのは意図的なのか偶然なのかは判別しかねますが、時代が1周した感がありますな。