Camera obscure -カメラオブスキュラ-/Lycaon
![]() | Camera obscure -カメラオブスキュラ- 【初回盤】 3,564円 Amazon |
1. Camera Obscura -SE-
2. 追憶
3. Dark Night
4. Liar
5. shadow
6. 暗室 -SE-
7. marionette
8. 君を壊すガラスの衝動
9. くちづけ-SE-
10. Rouge
11. 馬鹿ね。
12. アネモネ
13. 売女 -SE-
14. 悪女の微笑
15. ILLUSION
16. メランコリック
17. ジプシー
18. endroll -SE-
惜しまれながら2015年に解散したLycaon。
本作は、結果としてラストアルバムになってしまいました。
初回盤には18曲、通常盤には14曲を収録。
加えて、それぞれジャケットデザインが異なる仕様となります。
差分の4曲の内訳は、歌入り1曲、SE3曲というバランス。
実質的にはボーナストラックが1曲つくかつかないか、ではあるのですが、初回盤のお得感が強まるように仕掛けた結果、即日完売に。
多少落ち着いてきたとはいえ、今もなお定価以上の相場で取引がされているようですね。
さて、その内容ですが、間違いなくLycaonとしての最高傑作。
アルバム作品としては、「嘘と女と『 』」あたりで方向感が定まり、ミニアルバム「マゾヒストレッドサーカス」で熟成させたといったところ。
ハードルは高くなっていたものの、この「Camera obscure -カメラオブスキュラ-」では、更にその先に進化した印象です。
エロティシズムを前面に押し出した官能的なボーカリゼーション。
これを武器に、激しい曲から、ムーディーなナンバーまで惜しみなく彼らの音楽を注ぎ込む。
初回盤においては、数曲ごとにSEが挿入されるのもあって、勢いで押すのではなく、むしろしっかりと雰囲気を作ることで旨味を引きだすアプローチを採用。
それなのに、長さを感じさせずに一息で聴かせるイメージすらあるから面白いのです。
生バンドでガツガツ行く部分と、デジタルサウンドで幅を広げていく部分での駆け引きも絶妙。
ボリュームがあるのに、飽きがきません。
ボーナストラック的な「メランコリック」は、勢いに溢れた攻撃的なナンバー。
ライブ感があり、歌モノとしてはラストナンバーとなる「ジプシー」前の盛り上がりとしては不可欠なピースでしょう。
これも聴きたいが初回盤が手に入らない、というリスナーは、デジタルミュージックでの購入もご検討を。
1曲あたり250円、18曲で2,400円。
まとめ買いのほうがお得な価格設定ですので、SEを買うかどうかで迷うこともないはず。
これを作り上げて、今後に期待していたところでの解散は本当に残念でした。
ただし、その1年後、同じメンバー編成で、Initial’Lを結成。
なんだかんだ、この5人のサウンドがまた聴けるというのは、嬉しい限りです。
<過去のLycaonに関するレビュー>