Camera obscure -カメラオブスキュラ- / Lycaon | 安眠妨害水族館

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Camera obscure -カメラオブスキュラ-/Lycaon

 

1. Camera Obscura -SE-

2. 追憶

3. Dark Night

4. Liar

5. shadow

6. 暗室 -SE-

7. marionette

8. 君を壊すガラスの衝動

9. くちづけ-SE-

10. Rouge

11. 馬鹿ね。

12. アネモネ

13. 売女 -SE-

14. 悪女の微笑

15. ILLUSION

16. メランコリック

17. ジプシー

18. endroll -SE-

 

惜しまれながら2015年に解散したLycaon。

本作は、結果としてラストアルバムになってしまいました。

 

初回盤には18曲、通常盤には14曲を収録。

加えて、それぞれジャケットデザインが異なる仕様となります。

差分の4曲の内訳は、歌入り1曲、SE3曲というバランス。

実質的にはボーナストラックが1曲つくかつかないか、ではあるのですが、初回盤のお得感が強まるように仕掛けた結果、即日完売に。

多少落ち着いてきたとはいえ、今もなお定価以上の相場で取引がされているようですね。

 

さて、その内容ですが、間違いなくLycaonとしての最高傑作。

アルバム作品としては、「嘘と女と『 』」あたりで方向感が定まり、ミニアルバム「マゾヒストレッドサーカス」で熟成させたといったところ。

ハードルは高くなっていたものの、この「Camera obscure -カメラオブスキュラ-」では、更にその先に進化した印象です。

 

エロティシズムを前面に押し出した官能的なボーカリゼーション。

これを武器に、激しい曲から、ムーディーなナンバーまで惜しみなく彼らの音楽を注ぎ込む。

初回盤においては、数曲ごとにSEが挿入されるのもあって、勢いで押すのではなく、むしろしっかりと雰囲気を作ることで旨味を引きだすアプローチを採用。

それなのに、長さを感じさせずに一息で聴かせるイメージすらあるから面白いのです。

生バンドでガツガツ行く部分と、デジタルサウンドで幅を広げていく部分での駆け引きも絶妙。

ボリュームがあるのに、飽きがきません。

 

ボーナストラック的な「メランコリック」は、勢いに溢れた攻撃的なナンバー。

ライブ感があり、歌モノとしてはラストナンバーとなる「ジプシー」前の盛り上がりとしては不可欠なピースでしょう。

これも聴きたいが初回盤が手に入らない、というリスナーは、デジタルミュージックでの購入もご検討を。

1曲あたり250円、18曲で2,400円。

まとめ買いのほうがお得な価格設定ですので、SEを買うかどうかで迷うこともないはず。

 

これを作り上げて、今後に期待していたところでの解散は本当に残念でした。

ただし、その1年後、同じメンバー編成で、Initial’Lを結成。

なんだかんだ、この5人のサウンドがまた聴けるというのは、嬉しい限りです。

 

<過去のLycaonに関するレビュー>

マゾヒストレッドサーカス

薔薇~Rose~
嘘と女と『 』