SAVIOUR@新宿club SCIENCE(2016.7.10) | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

THE EGOIST一周年記念 無料単独公演「SAVIOUR」に行ってきました。
12月の無料単独公演に引き続き、二部制での実施。
一部は男子限定公開リハーサル、二部が本編といった構成で、マイナーバンドが男子限定ライブを行うという無茶な企画も定着しつつあるのかな。

会場は全体的に埋まっていた印象。
無料とはいえ、他にも諸々のライブが重なる日曜日にこの実績は、足元を固めるためにライブ本数を重ねたのが奏功したといったところでしょうか。

7月13日にリリースされるシングル「RED ACHE」を皮切りに、全15曲を演奏。
勢いのある楽曲を畳み掛ける場面もあれば、しっかり聴かせるパートもあり、1年の活動を通して、バリエーションが増えましたね。
この日演奏されていない楽曲もあるし、そろそろセットリストによって変化をつけるこどできそうな曲数が溜まってきた。
その中で、この日は新曲を含めたチャレンジを織り込むなど、必ずしも無難な構成にしなかったのは強気で格好良いな、と思います。

このバンドの特徴は、同期を使わずにデジタルな感覚をサウンドに取り込むスタイル。
エフェクトボイスやシンセギターによって、5人がその場で奏でる音色だけでサイバーな楽曲もこなしてしまう。
ツインギターであるセツナさん、Akinaさんの手元を見ているだけでも面白いのだよなぁ。
MCでは、近年、同期に頼るバンドが多いことも触れ、今後はあえて同期を使うアプローチにも取り組んでいくとのこと。
流されて歩み寄るのではなく、"同期なしで戦ってきたTHE EGOISTだからこそ、同期を使えばそんなバンドたちを遥かに飛び越えられる"とシーンに対して喧嘩を売るような意図もあるのだとか。
いかにもロックバンドらしい発言で、好感を持ちました。

ドラムソロからのリズムセッションにしても、長めにとった煽り曲での飽きさせない工夫にしても、ワンマンならではの演出をたくさん盛り込んで。
個人的には、照明演出にもこだわっていたのがポイント高かった。
やれることを全部詰め込んだイメージですね。
粗削りではあるけれど、本数をこなした自信が、ステージングに表れていたのではないかと。

課題としては、一発で耳に残るようなフレーズを持つ楽曲が欲しい。
アレンジが面白いだけに、骨組みとなるメロディ部分でのインパクトがあれば、もっと良くなるはず。
全体的には格好良い演奏をしていても、終わった後に"あの曲が良かった!"というキラーチューンがアイコン的に残らないので、少しもったいない気がしてしまうのですよ。

もちろん、ここにきてシングルがリリースされ、これからはキャッチー性も増していくはず。
1曲目と同じ「RED ACHE」でラストを飾ったことが、それを象徴しているように聴こえました。
今のところ、「will」が大団円となるクロージングの位置づけなのかな。
出だしのアルペジオに乗せて"ラ~ラ~ラ~ラ~"と歌い出したときは、LUNA SEAの「WISH」における間奏終わりかと思ってしまいましたが、馴染んで来ればオーディエンスのシンガロングも期待できる代表曲に育ちそうな予感。

半年ぶりに見たけれど、大きく成長しているから驚かされる。
そこまでキャリアのない結成後1年のバンドとしては、上出来すぎるくらいの内容でした。
心なしか男性ファンもついてきたようで、きっかけさえ掴めばブレイクしそうな個性もある。
下手2人の男泣きでグッと持っていかれたオーディエンスもいたのでは。
まだまだ伸びしろはありそうで、将来が楽しみなバンドです。

1. RED ACHE
2. パラノイア
3. Everlasting
4. Murderr Face
5. Maladjusted Child
6. The last rain
7. BeDyedZero
8. Collapsed Connexion
9. Enough.
10. Gnosis
11. AGENCY OF VIOLENTLY
12. Rock Style
13. my-self
14. 「will」
15. RED ACHE