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1. ...偽カルチャー
2. Rabid birthday
3. ワルサ
4. ゥソつき
5. 八丁目idolちかこ
6. 去えない人形、消せぬ疎外
7. Dolce
8. 夕焼け恋差
9. 鳴
10. 嘔吐DEィATH CUSSION
11. ∞dreamer∞
12. 偽カルチャー...
2006年に結成した【_Vani;lla】が、2009年にリリースした1stフルアルバム。
2010年に解散してしまうため、結果的にこれが最初で最後のフルレンス作品となります。
コテコテバンドのお手本。
V系がV系をルーツにするという流れを生み出したのは黒夢やLUNA SEAだったと思うのですが、Dir en greyがメジャーデビューを果たしたくらいから、それはDir en greyが請け負うことになっていました。
しかしながら、ゼロ年代の中盤くらいから、その様相は変わっていく。
ガゼットがフォロワーを増やし始め、"お手本"の世代交代を進めるのです。
もちろん、ガゼット側が狙って、ということではないのだが、お洒落系のブームも相まって、テンプレートとして受け入れやすかったのでしょう。
前置きが長くなりましたが、この【_Vani;lla】は、そんな世相を反映したガゼットのフォロワーバンドの代表格。
哀愁メロをコテコテサウンドに落とし込んで、パンキッシュに加工。
耳馴染みが良いように、要所要所でキャッチーさを取り入れ、アクセントとしてミクスチャー風に。
Vo.鐘【-ベル-】さんの歌い癖や声質も含めて、初期ガゼットを再構築するようなアプローチが数多く見られます。
その中での彼らの特徴としては、よりお洒落系との融合を図ったというところだろう。
ダミ声で吐き捨てるように歌ったり、わちゃわちゃした軽めのノリを織り込んだり、流行の良いところどりをしてやろうとする野心があるというか。
タイトルや歌詞にも表れている通り、シリアスで格好良く、という従来のV系での価値観を捨て、親近感を持たせてワイワイ楽しく、というスタンスを持ち込んでいました。
シングル曲「ゥソつき」、「夕焼け恋差」、「嘔吐DEィATH CUSSION」も収録し、これらを軸に激しくダークに迫る「去えない人形、消せぬ疎外」から、歌謡バラード「鳴」まで、バラエティを広げていく構成。
ボーカルが典型的なクリーントーンになると弱いタイプであるため、歌モノになるとガクッとなってしまうところは否めませんが、二番煎じであるからこそ、ツボを押さえた内容になっているかと。
なんだかんだ音楽性に一貫があるので、割り切って聴けば、こういうサウンドが好きというファン層は未だに多そうですね。
最初と最後のSEには同じフレーズが使われ、ループして聴くことを想定しているなど、ギミックを仕掛けてくるあたりもこの時代のバンドらしい。
ちなみに、タイトルは"ギカルチャー"と読むのだそう。
最近、昔ほどガゼットっぽいバンドが登場しなくなったな、と寂しくなったリスナーは、遡って彼らの作品を聴き返してみるのも一興では。