UNiVERSE / ユナイト | 安眠妨害水族館

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UNiVERSE/ユナイト

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1. universe

2. iNCUBATiON2.0

3. レヴ

4. 造花と嘘

5. マイ アイ ロニ カル

6. 回想

7. l8r

8. ice

9. チキンリドル

10. THEATER -LA-

11. timeSICKness

12. ---キリトリセン---

13. マーブル

14. HELIOS

15. 約束 -Pf arrange-

 

ユナイトの4thアルバム。

ドラマーにex-イヴの莎奈さんが加入してからは初のフルレンスとなります。

 

ファンに向けてのメッセージソング「universe」から勢いよくスタートするのですが、驚くのはその次の構成。

2曲目から、仕切り直しのSEが挿入されるからである。

導入の1曲目や、中盤での場面転換で使われるのがセオリーとなっているインストナンバーというカードを、もっとも意外なところで切ってきたといったところです。

 

しかしながら、それが何気に効いている。

「universe」が、あまりに総括的な王道チューンになってしまったあまり、アルバムのどこに入れても収まりが悪くなるというジレンマを抱えてしまった。

それを解決する策として、あえて流れをぶった切るようにSEを入れる。

これにより、斬新さ、面白さという要素を上積みしたうえで、実質的なリスタートを可能にしたのですよ。

この発想の転換は、なかなか思いつくものではないよなぁ。

 

それ以降の構成は、しっかりアルバムとしてまとめ上げて。

新メンバーである莎奈さんの楽曲が「造花と嘘」、「回想」、「 ---キリトリセン---」、「マーブル」と、4曲採用されているのもポイントでしょう。

4枚目のアルバムという、マンネリ化が進みそうなタイミングで、新しい風が吹き込んだ。

特に、歌謡曲テイストが強く、ミステリアスな雰囲気を纏った「回想」や、珍しくVo.結さんの激しいシャウトが繰り出される「---キリトリセン---」などは、これまでのユナイトには見られなかった音楽性。

シングル「マーブル」で、きちんとユナイトらしさとハマる楽曲がコンポーズできることを示しつつ、幅を広げる役割を十分に担っていました。

 

新境地という意味では、お洒落で大人びた「THEATER -LA-」が格好良い。

こういう音の隙間を活かすような楽曲は、スキルやセンスがはっきり表に出てしまうのだけれど、繊細でありながら存在感を示すBa.ハクさんのフレーズが、良い味を出しているかと。

 

通常盤は、ボーナストラックとして「HELIOS」、「約束 -Pf arrange-」が追加収録。

楽曲としては佳曲なのだが、トータル的に見ると、やや蛇足感もあるのかな。

ピアノがメインに使われたバラード、「約束 -Pf arrange-」で締めくくられるのが悪いわけではない。

でも、「マーブル」で完結させたほうが、なんとなくしっくりくるのですよね。

この辺は好みの問題だし、それでも曲数が多い方がいいやってリスナーも多いとは思うのだけれど、終盤に盛り上がって「マーブル」で大団円!という初回盤のほうが、流れだけで考えれば実は好みなのかも。

 

アルバムを出すごとに成長を見せるユナイト。

メンバーチェンジのアクシデントをプラスに変え、またも自己ベストを更新したアルバムと言えます。

話題性としては落ち着いてきた感はありますが、安定期どころか、まだまだ成長期である。

レベルを上げたな、と素直に思わせる1枚。

 

<過去のユナイトに関するレビュー>

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STARTiNG OVER’S

UNiTE.