unfil/Red&Black (Red&Black/unfil) / アンフィル | 安眠妨害水族館

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unfil/Red&Black/アンフィル


1. unfil
2. Red & Black
3. 迷い姫

Red&Black/unfil/アンフィル


1. Red&Black
2. unfil
3. リオ

2015年に始動し、既に勢いに乗っている感のあるアンフィル。
本作は、両A面扱いでリリースされた1stシングルです。

結成記念シングルを、あっという間に完売させた彼ら。
間髪入れずに正式音源を2種類同時にドロップしました。
TYPE-Aでは「unfil」、TYPE-Bでは「Red&Black」がクローズアップされており、それぞれのMVが収録されたDVDが付属されるだけでなく、曲順も入れ替わるという仕様。
加えて、カップリングとなる3曲目が差し替えられていて、どちらも違った聴きごたえがありますな。

彼らの特徴は、キラキラ系の特徴であるデジタルサウンドと、白系バンドから影響を受けたような幻想的なメロディを融合させていること。
ダンサブルでノリが良い。
一方で、美しいメロディが耳に残り、しっかりと世界観を構築できるのである。
Vo.翔梧さんの歌声にも透明感があり、楽曲にマッチ。
淘汰されつつあるキラキラ系ではありますが、そこから抜け出し、次のステージに引っ張り上げるポテンシャルを秘めていそうな予感がありますね。

バンド名とリンクする「unfil」は、まさに代表曲として君臨しそうな歌モノ。
クリアなギターと、ファンタジックな同期のバランスが良く、サビでの突き抜け方も気持ち良い。
構成としてはストレートですが、アレンジが丁寧に施されていることもあって、とてもドラマティックに聴こえます。
若手バンドの1stとは思えないクオリティ。

対して、「Red&Black」は、デジタル要素を前に出して。
ダンサブルなリズムに絡みつくゴージャスなシンセのサウンドは、ネオンがギラギラ輝く夜のイメージ。
「unfil」が"光"であれば、こちらは"影"といったところでしょうか。
コーラスワークも大人びていて、なるほど、こういうタイプの楽曲もサマになるのか、と感心させられました。

TYPE-Aに収録された「迷い姫」は、キャッチーなサビが印象的なメロディアスナンバー。
AメロからBメロまでの流れにはザクザクと切れ込むハードさがあり、ダークな一面も垣間見えるのですが、サビになるとその雰囲気を一掃してしまうほどの爽快感。
三拍子のリズムになってから、抜けの良いギターソロへ、という流れもたまりません。

TYPE-Bに収録された「リオ」は、デジタル&ハード。
ガツガツと攻撃的に畳み込み、彼らなりの激しさを表現していきます。
このハードさに、シャウトやデスヴォイスを使用せずクリーントーンのボーカルだけで向かっていくのがアンフィル流。
サビでテンポが落ちるあたりで好みは分かれそうですが、中途半端にシャウトするよりも、あくまで歌で戦うほうが勝算ありと踏んだのだろう。
一種のアンチテーゼであり、効果的なアクセントとなったのでは。

アレンジセンスも、メロディの乗せ方も絶妙。
現在の足元は始動直後のマイナーバンドという位置づけですが、すぐにでも序列を覆してしまいそうなパワーを感じさせますよ。
早くも7月にもネクストシングルのリリースも控えており、この勢いをどこまで加速させることができるか。
新進気鋭のバンド・アンフィルが"台風の目"になる日は近いのかもしれません。