SIXNINE / ADAMS | 安眠妨害水族館

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SIXNINE/ADAMS

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1. 69
2. GALAXY
3. せせらぎ
4. HEAVEN
5. White Caress
6. Carry
7. Masquerade
8. R-ED
9. Bittersweet
10. MARIA
11. ボクノセイ
12. YOAKEMAE

Vo.ADAM、Gt.ShotaによるADAMSの2ndアルバム。
"革命的V系BLユニット"として活動を続けています。

ボーイズラブをテーマに、クラブサウンドに近い音楽性。
狙った感がある一方で、音楽的な親和性に欠けるという中、どこまでリスナーを増やせるかが課題だったのですが、クールジャパンの流れに乗って、海外ファンを囲い込む戦略をとっているようで。
いつの間にか、ワールドワイドな活躍をしていました。

本作は、2014年に行った2回目のヨーロッパツアーの際に先行リリースされたもの。
流通盤については、今年になって全国解禁されたばかりという、なんとも珍しい形態。
独自のビジネスモデルを模索しているといったところですかね。

内容としては、やはりデジタルな打ち込みサウンドを多用したナンバーが中心。
V系の枠組みに当てはまらないタイプの楽曲にも踏み込めることを強みとする彼ららしい構成になっています。
1st「NEO SEXUAL」を聴いた時点では、それがどうも浮いた感じになってしまっていて、とっつきにくさに繋がっていたのですが、本作ではそれが緩和されている。
デジロック調の楽曲を織り交ぜて、ビートを効かせたノリもプラス。
メロディアスチューンの割合も増えて、いくらか歩み寄りが図られてきた印象ですな。

耽美で、アーティスティック。
だけど、表現する世界観はボーイズラブ。
この徹底っぷりを貫くか、もっと突っ込みやすいようにキャラ立ちをさせていくか、どちらに振れていくかで、取り込めるファン層も変わってきそう。
本作の向いている方向としては、前者な気がします。

海外志向は強そうですが、歌詞は日本語ですし、再び国内市場に目を向ける展望もあるのだろうか。
ほとんど日本でのライブ活動がなく、実際のところ、どのくらいの規模になっているのかは未知数。
長期的な視野を持ったプロジェクトのようですし、まずは海外で実績を作って、V系界隈でデジロックが再興したタイミングにカムバック、なんてことを考えているのかもしれません。

ちなみに、同じく3rdアルバムである「SEXPLOSION」が、15ヶ国、30公演のワールドツアーで先行リリースされているとのこと。
こちらが国内で解禁されるのかは未定ですが、その頃に彼らの知名度がどこまで広まっているかに注目です。
果たして、ADAMSが逆輸入的にブレイクする日は来るのでしょうか。

<過去のADAMSに関するレビュー>
DIZZY LOVE