斜陽 / ネイムレス | 安眠妨害水族館

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斜陽/ネイムレス


1. 斜陽
2. 白菊(斜陽Ver)
3. 業火(斜陽Ver)
4. 東京(斜陽Mix)
5. 夕空(斜陽Mix)
6. 風歌(demo)

2012年の最終主催公演にて限定販売されたネイムレスのラストシングル。
代表曲を中心としたボーナストラックが5曲収録されていて、ベスト・ミニアルバムと呼んでも差し支えなさそうな内容です。

「斜陽」は、激しさのあるアッパーチューン。
攻撃的に攻める演奏に対して、メロディは歌謡曲路線だから彼ららしい。
わざとなのか、雑なだけなのか、サビでコーラスがユニゾンっぽく重なってくるので、ライブでオーディエンスと一緒に盛り上がるような風景が浮かんでくる。
そういう意味では、次のライブはないという状況でドロップした楽曲がこれというのは、寂しいというか、切ないというか。
ところどころピッチが甘くなるのはご愛嬌。

「白菊」、「業火」は、バージョン違いということで、再録もされているのかな。
「白菊」では、イントロの演出的なものがカットされ、バンド感が増したスタートに。
音質も当時より向上しているので、聴きやすくなったかと。
「業火」も、イントロで入っていたシャウトがなくなっており、楽器隊だけで重さと激しさを出そうとするアプローチに変更。
ライブで成長させた楽曲を、ここで披露したという位置づけでしょうかね。

「東京」、「夕空」はミックスのみ手を加えたもの。
これも、音質が良くなって、音がクリアになった印象。
渋みのあるシンプルなギターが、はっきりと聴こえるようになったのは大きな改善である。
どちらも名曲なので、このレベルアップは嬉しい限りでした。

ラストは、未発表曲「風歌」のデモバージョン。
もっとも、正式に音源化される予定はないのだろうけれど、データが残っていたから本当のボーナスとして追加収録したといったところかな。
明らかに音質は劣化してしまうのがもったいない。
だが、楽曲はまさしくネイムレス節であり、哀愁漂うノスタルジックなメロディアスナンバー。
形に残っただけでも良しとすべきでしょう。

質、量、どちらをとってもネイムレスの最高傑作。
だからこそ、ラストライブでのみの限定販売だったのは惜しまれる。
解散が決まった状況ですし、通販の運営や流通のコストも理解するのだけれど、もっと多くの人に聴いてもらうべき。
ネイムレスを知ってもらうべき。

さて、Gt.慧太朗さんが新バンド、エキゾチックショートヘアでの活動開始を発表したようで。
ex-レインマンのはるさん、ex-ヱレキテル式のアルミさんらと組むようなので、期待できるかしら。
ヱレキテル式時代には隠れてしまっていた慧太朗さんの歌謡センス、再び発揮してくれると嬉しいのだけれど。

<過去のネイムレス(the『ネイムレス』.)に関するレビュー>
東京/夕空
白菊/業火