きまぐれサンダーロード@池袋手刀(2014.11.28) | 安眠妨害水族館

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カラビンカの2度目の単独公演「きまぐれサンダーロード」に行ってきました。
新音源となるミニアルバム、「三千世界に鴉鳴く」が販売されたり、CDの無料配布もあるなど、帰ってからのお楽しみも多いライブでしたね。
遠征者には、DVDの配布もあったのかしら。

7時開場、7時半開演という、社会人に優しい時間設定。
だからといって、ボリュームを少なめというわけでもなく。
アンコール3回の、計27曲、がっつり3時間近くステージを繰り広げてくれました。

前回同様、幕が閉まった状態でスタート。
曲目は「真夜中の曲馬団」。
ラスト付近でようやく幕が開くと、赤い照明に照らされたメンバーがおどろおどろしく轟音を響かせています。
相変わらずの存在感。

新譜が出たこともあり、前半戦は新曲を中心に、どっぷり暗くおぞましい世界観を。
後半戦は、定番曲で盛り上げてという構成だったのかな。
アルバムの表題曲である「三千世界に鴉鳴く」、今後の彼らのコアとなっていきそうな「夏を哭く人」が、前半と後半を繋ぐスイッチの役割を明確に果たす。
もうクライマックスなのかと錯覚してしまうほど、そこにピークを持ってきていました。

「三千世界に鴉鳴く」は、エキゾチックなギターリフが特徴的で、カラビンカには珍しいタイプの楽曲。
しっかりとパワーもあるし、そのうえで、飛び道具になりそう。
「夏を哭く人」は、代表曲である「春を逝く人」との繋がりはあるのでしょうか。
和音階による歌メロと、オルタナティブなギターロックサウンドが美しく混ざり合い、もっと浸っていたかったですな。

それなりに緊張しているようで、序盤は演奏がバラバラになりそうな場面もあったのですが、それをすぐに笑い話にできる余裕があったのが、前回のワンマンから1年間経験値を積み上げた成長かと。
Gt&Vo.工藤さんとBa&Vo.サヲリーナさんの掛け合いは、もはや漫才レベル。
次の曲に影響が出てしまうほど、精神的にヘヴィーな楽曲が多いだけに、一度ラフなトークで世界観をリセットにするのは、彼らなりのバランスのとり方なのだろうなぁ。
「天井裏発電機」の後なんかは、さすがに"喋りにくい"と本人も言っていましたけども。

「鋼鉄髙橋」からの流れは、セットリストを見れば言わずもがなですね。
それまでは、世界観に入り込むことを意識したステージングが多かったメンバーが、この辺りから、ライブ感を強めていった気がします。
工藤さんが、最近9mm Parabellum Bulletにハマっているという背景もあって、ライブ映像で見た煽りだという"美しいぜ!"や"踊ろうぜ!"を連呼。
Gt.滝さんを真似してグルグル回りながらギターを弾くなど、パフォーマンス面でも影響が表れていました。
この辺りは一過性だと思うので、ある意味、貴重なものが見れたな、と。

ラストの「春を逝く人」は、何度聴いても鳥肌が立つ。
それまで、どれだけふざけてグダグダなMCをしていても、この楽曲への導入だけはシリアスに。
出だしで挿入される台詞の演出が、また沁みるのだ。
これがあることによって、その後で押し寄せる轟音の中へと、オーディエンスの意識を連れて行ってしまうのですよ。

アンコールは、「俺と純の角刈り男祭り」、「悪魔が産まれた日」と、ワンマンならではのネタ色が強い楽曲を。
セカンド、サードでは、本編の中からライブ映えのする楽曲を披露。
同じ曲を二回ということについては、意見や好みもあるとは思うのですが、本編とアンコールでは、聴こえ方も違うし、予定調和ではなく、本当にボーナスという感じがあるので、個人的には得した気分。
「彼岸花」、「唯、散る」あたりも聴きたかったが、ライブ全体の構成にも関わるし、まぁ、仕方ないか。
恒例の"白鶴 まる!"での写真撮影もあり、最後は大団円でした。

こんなに濃厚で後味の悪い世界観を繰り広げているにも関わらず、"楽しかった"で終われるのが、カラビンカの魅力なのでしょう。
いつになく活動的な年末年始のスケジュールになっているようですが、来年も、こんな感じで単独公演をやってもらいたいものだ。
できれば、時間設定は遅めでお願いいたします。

1. 真夜中の曲馬団
2. ナナシノ唄
3. 不退転、疾る
4. 赤児、嗤う
5. 赤蜻蛉
6. 雨、嗤う
7. 不浄
8. 華に傷痕
9. 天井裏発電機
10. 罪と罰
11. 老いた兎
12. 宵待草
13. 三千世界に鴉鳴く
14. 夏を哭く人
15. 鋼鉄髙橋
16. 六月の通り雨
17. 童貞ですこ
18. 通り魔行進曲
19. 畜生の理
20. 風船音頭
21. 春を逝く人

en1. 俺と純の角刈り男祭り
en2. 悪魔が産まれた日

en3. 不退転、疾る
en4. 畜生の理

en5. 童貞ですこ
en6. 風船音頭