赤蓮 / そろばん | 安眠妨害水族館

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赤蓮/そろばん


1. ポカリ2014
2. 赤蓮

Vo.龍寺、Gt.夢人、Ba.たつひという編成で期間限定復活を遂げたそろばん。
本作は、ラストワンマン公演において会場限定でリリースされたシングルです。

現在は、それぞれのバンドで活動している彼ら。
Dr.ゆうやさんの参加は叶わなかったとはいえ、こうして2014年にそろばんの新曲が聴けるとは。
復活ブームの流行がマイナーバンドにも波及してきて、面白い時代になったものですよね。

「ポカリ2014」は、ライブで使用していたSEを、正式に音源化したもの。
"ただいまより、そろばんの公演を始めます・・・"という台詞から、レトロなバンドサウンドへ。
登場シーンのために制作された楽曲ですから、音源としてどうこうというより、ライブの臨場感を思い起こす意図なのでしょう。
このタイミングでメンバーが出てくるのだな、というのがよくわかる展開。

表題曲である「赤蓮」は、夢人さんが作曲したナンバー。
ミディアムテンポながら、タイトな演奏によりダークさを演出していきます。
そもそもメロディパターンは2つくらいしかないのですが、それが流れで繋がっているわけではなく、メロディと間奏を交互に用意した独特の構成。
キャッチーさはなく、雰囲気モノという位置づけに近そう。
こういう楽曲を最後の曲として持ってくるとは、相当な天邪鬼ですな。

なんていうか、ラスト感はほとんどありません。
シングル感すらないという。
だからか、新作のありがたみを加味しても、評価は分かれているようです。
楽曲のタイプとしても、"これぞ待ってたそろばんの音楽だ!"とはならない新境地なのですよねぇ。
その捻くれっぷりも含めて、ある意味で彼ららしいのかもしれないのだけれど、期間限定復活という中でのニーズとしては難しいところ。

また、この日しか手に入らないとはいえ、SE+新曲1曲で1,500円。
しかも、歌詞カードは300円で別売りという強気な価格設定も、賛否両論を加速させてしまったかな。
代表曲の再録でも最後に入れておけば、内容的にも、価格的にも妥当な線だったのかな、と思ってしまいました。

<過去のそろばんに関するレビュー>
激彩チャップル