~Precious Opal~@Shibuya eggman(2014.6.21) | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

ex-Hysteric Blueのボーカリスト、Tamaによるソロツアー、「Tama 1st LIVE TOUR ~Precious Opal~」の初日に行ってきました。
1stアルバム、「Opal」のレコ発ツアーということで、新譜からの楽曲が中心となりましたが、ヒスブル時代のマイナーな楽曲も披露すると宣言されていたこともあり、代表曲からレア曲まで織り交ぜたセットリストになっていたのではないかと。

スタートは、アルバム同様、「果てのない夢」から。
淡々とした、はじまりを予感させる楽曲で、バンドの解散から、様々なユニット活動を経て、遂にソロとしての第一歩を踏み出した彼女を象徴しているよう。
2曲目、3曲目は、ヒスブル時代のシングル「ベイサイドベイビー」、「ふたりぼっち」と続けて、盛り上げと落ち着きをもたらし、序盤から、ライブという独特な空気感にオーディエンスを引き込みます。

そして、そこからがコアなファンにはたまらない、マニアックな選曲でした。
「なみだ」、「好奇心」、「Like or Love」と、解散後ではほとんど披露される機会がなかった楽曲たちを。
ベストにも収録されていた「好奇心」ならともかく、カップリング曲で、現役時代でさえあまり演奏されなかった「Like or Love」が、まさかここで聴けるとは。
10代~20代前半だったリアルタイムの頃より、30代に入り、人生の深みを増した今のほうが説得力があるなと思わされる歌詞もあり、今になってレパートリーに追加しようとした意図もわかりますな。

再び、ソロアルバムからの楽曲として演奏されたのは、「Rainy Baby」、「Yesterdays & Tomorrows」の2曲。
大人びたミディアムテンポのナンバーで、これは、今の彼女だからこそ出来た楽曲だろうな。
アッパーチューンにおける可愛いロリータボイスではなく、しっとりとしたアダルティーな歌声。
いつの間にか、こんな楽曲も自分のものにしていたのですね。
CDを聴くだけではわからなかった魅力。

代表曲である「なぜ…」をクッションとして、「ゆうべのキス」、「ラバーズ」と、またもコアな楽曲を連続して。
初期のアルバム曲としては、かなり好きな楽曲であった「ラバーズ」が聴けたのが嬉しかったな。
「Wallaby」のレコ発で聴いたことはあったとは言え、10年以上ぶり。

「無限大の空」、「暗闇モンスター」と、アッパーチューンを立て続けに畳み掛けてギアを全開にすると、そこからは怒涛の終盤。
盛り上がる楽曲オンリーという構成で、客層的に大人しめだったオーディエンスではあったものの、徐々に拳が上がりはじめる。
カップリング曲ながらライブ映えするポテンシャルを持っている「メーデー」、アルバムのリードトラックである「Dear every day」、これ以上ないキラーチューンの「春~spring~」と、テンションを落とすことなく本編を締めくくりました。

Hysteric Blueは、ブレイクが早すぎたのかもしれない。
デビュー直後から、広い会場が多かったわけだけれども、最近、200人規模の会場で見る機会が増えて思うのは、オーディエンスとの距離が近いほうが、生き生きとステージングをしているなぁ、ということ。
自らハンドクラップを求めたり、「まだまだ行けますか!?」的な煽りを入れてみたり、躍動という言葉がふさわしいくらいに動き回っていました。
もっと今の彼女の音楽を世間に知ってほしいという気持ちはあるのだが、この距離感が心地よいと気付いてしまった。
なんとも難しいものである。

アンコールは、予想以上にあっさりと登場。
ツアーTシャツに着替えてくると思ったら、"タオルしか貰えなかった"とのことで、衣装チェンジはなかった模様。

ここでのMCに驚かされましたね。
10月28日、Tamaちゃんの誕生日に、バースデーワンマンが開催。
しかも、この日のライブ会場でチケットを発売とのこと。
平日の二子玉川。
キャパは100人程度。
まさか、忘れかけていた物販チケ発の殺伐とした感覚を、こんなところで思い出すとは。

アンコールで披露したのは、アルバムの表題曲である「オパール」。
しっとりしたバラードですが、キャッチーさもあって、とても聴きやすい。
インストアイベントでも歌われていたものの、生演奏だと、やはり迫力も違います。

しんみりした雰囲気に包まれましたが、最後は拳で、ということで、「今見える明日、戒める今日」でラストの大盛り上がり。
最後に持ってくるのが、この曲だとは思っていなかったのだが、確かにハマる。
カップリングの楽曲ながら、ベストアルバムにも収録されたくらいの人気曲にのし上がるのも納得のアッパーチューン。
是非とも、このまま定番曲として定着させていただきたいものです。

禊が済んだということなのか、ここ1、2年で、それまでの沈黙が嘘のように活動が活発化。
リリースやライブといった露出の機会も増えてきている。
そのため、毎回やるような定番曲には、"見慣れてきた"感は否めないものの、それらで盛り上げつつも、レア曲を散りばめたり、新曲を作ってきたり、全体的には動きがあって飽きさせない構成になっているのかと。

次のライブは、キャパが狭いうえ、椅子のある会場ということで、どういうチャレンジをしてくるのか楽しみで仕方ありません。
チケットは確保できたので、平日だけど、なんとかして行きたいところです。

1.果てのない夢
2..ベイサイドベイビー
3.ふたりぼっち
4..なみだ
5.好奇心
6.Like or Love
7.Rainy Baby
8.Yesterdays & Tomorrows
9.なぜ…
10.ゆうべのキス
11.ラバーズ
12.キミと会う瞬間
13.無限大の空
14.暗闇モンスター
15.グロウアップ
16.メーデー
17.春ーspringー
18.Dear every day

en1.オパール
en2.今見える明日、戒める今日