- mary bird milk/the god and death stars
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1. 母乳
2. 無実の無視
3. 夜空の手前(LIVE)
4. brother mustang(LIVE)
5. love hole(LIVE)
6. プール(LIVE)
7. canine(LIVE)
8. addle apple(LIVE)
9. ザゾンビ(LIVE)
10. ロカ(LIVE)
11. 飛ぶ鼠(LIVE)
12. 複雑な倒立(LIVE)
the god and death starsのnew songs & live best album。
2曲のスタジオ音源と、2013年12月25日に下北沢SHELTERにて行われたライブから、10曲が収録されています。
V系シーンでこそ、あまり普及していませんが、シングルにライブ音源を加えてEP盤としてリリースする手法が、ロキノン界隈を中心に増えてきていますね。
彼らは、その中間的な位置づけにいるバンドとして、率先して持ち込んだといったところでしょうか。
リードトラックは、「母乳」。
とにかく、タイトルに驚かされます。
歌詞に出てくる天の川(ミルキーウェイ)から連想させていったのかな。
こんなタイトルですが、一切、楽曲の中にはおふざけ要素はなし。
中島みゆきmeetsニルヴァーナと称される彼らの音楽性を象徴するように、ダウナー歌謡の要素を強めるメロディと、オルタナ、グランジに影響されたサウンドは健在です。
渋いロックンロールの香りがするイントロから、徐々に盛り上がり、サビからラストシーンにかけては、歌メロも立っている。
ポップになりすぎず、マニアックになりすぎず、さすがaieさんといったところ。
バランス感覚が絶妙ですな。
「無実の無視」も、アダルティーな雰囲気。
横ノリ系の楽曲ではあるのだけれど、フレーズのひとつひとつはスリリングで、どこかでパーツがズレてしまえば、一気に破綻してしまいそうな繊細さ。
聴きやすいメロディの影に隠れてしまいそうになりますが、この辺りのアレンジセンスが、彼らの強みであることは言うまでもなく。
必ずしもキャッチーではないのだけれど、すっと耳に入ってくるのですよ。
ライブテイクについては、新旧問わず、セットリストに組み込んでいるのだな、という印象。
一部、音程が不安定なところはご愛嬌ですが、ライブのほうが魅力的に聴こえる部分も多いですね。
音源できっちり、というバンドスタイルでもないですし、もともとはセッションバンドからの派生という成り立ちからも、ステージ上での主張のし合いを楽しむほうが面白かったりして。
どうせだったら、フルで入れて欲しかったなぁ。
新曲の発表と、ベスト盤を兼ねたような内容になっているのは、初の流通作品ということもあり、入門書的なアプローチという意味もあるのだろう。
いよいよ、コアなファン向けのバンドから、一歩踏み出した本作。
音楽性に変化があるわけではないものの、心なしか外向けな楽曲に仕上がっている気がするのは、そのせいかもしれません。
EP盤という形態が、V系シーンでも定着していくかどうかにも注目したい。
シングル+DVDでは買わなかった層も、シングル+ライブ音源でアルバムサイズのボリュームになれば、ということもあるでしょうし、コストパフォーマンスも良さそう。
個人的には、ワンマンクラスのバンドには挑戦してもらいたいですね。
<過去のthe god and death starsに関するレビュー>
-dawn of the god-
殆ど腐敗
Live at LOFT
addle apple
addle apple trailer disc