- 炎と宝石/Valentine D.C.
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2. パントマイムは踊れない
3. しらけた楽園
4. クロックワークの少年
5. BRAIN GAME
6. Risk Your Life?,Risk Your Pleasure?
7. STARS
8. ドライフラワー
9.炎と宝石
10.LOVE MAKES ME BLIND
11.紙飛行機
2月14日ということで、Valentine D.C.を。
1995年にリリースされた、メジャー2ndアルバムです。
年齢を重ねるにつれて、腰の据わった落ち着きを見せる彼らですが、この時期は、まだ衝動性や勢いに任せる場面も多かったようで。
アメリカンロックをベースにした、スタンダードなロックを貫く彼らですが、本作では、なかなかハードでアグレッシブな攻撃性を見せてくれている。
出だしの「DANCEマテリアル」から勢いよくスタートしたと思えば、「パントマイムは踊れない」、「しらけた楽園」と、アッパーチューンで攻め立てます。
特に、「パントマイムは踊れない」のサビは衝撃的。
Vo.Ken-ichiさんが、擦り切れるようにハスキーな声を震わせる。
きちんと声が出ているわけではないし、どこまで意図的なのかはわかりませんが、衝動的な格好良さとは、まさにこのこと。
きちんと歌い上げるだけが、美徳ではないのだと気付かされました。
中盤で、アクセントやバランサー的な楽曲を織り交ぜると、終盤の聴きどころは「ドライフラワー」からでしょう。
どことなく、パンク色の強い本作を象徴するように、荒々しく駆け抜ける。
表題曲である「炎と宝石」は、従来の骨太ロックから、一歩進化するようなアプローチも見られ、勢いの中にも、試行錯誤を取り入れていることがうかがい知れます。
これで締めても、まとまるのではと思わせるバラード「LOVE MAKES ME BLIND」を経て、ラストは「紙飛行機」。
こんな哀愁ロックを、ここで持ってくるか。
感情が込められたボーカルと、耳馴染みの良いメロディ。
少し切ない歌詞も相まって、これは沁みるなぁ。
時代が時代なので、古臭さはある。
しかし、それも含めて、味にしてしまっている。
おそらく、95年当時も、そこまで最先端の音楽ではなかったはずだが、それでもリスナーが心動かされたのは、それをわかったうえで貫いた男気なのだろう。
その後のヴィジュアルシーンに見られる、中性的な雰囲気や様式美、ダークな世界観などはありませんが、今となってはそれも個性だったな、と。
中古で安価で購入できるので、渋く硬派なロックを聴きたい人は、手を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
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