平日に説く仏教の教え / ブッダ | 安眠妨害水族館

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平日に説く仏教の教え/ブッダ

 
1.A.C.I.D(脳内麻薬)

Vo.Buddah、Gt.カナメ、Gt.瑠璃(爽やかアレルギー)、Ba.泉(蟋蟀)、Dr.マス(ex-爽やかアレルギー,、ex-グレヱテル) というメンバーで結成された、ブッダ。
ボーカルはBuddah名義ではありますが、日本気の毒歌劇団のルペットさんですね。
レコーディングメンバーは、ルペットさん、カナメさん、泉さんの3名とのこと。

"from インド"という設定のようで。
本作は、2013年11月15日の新宿URGAにて強制配布されたCDR。
収録曲は、賛美歌の(ネタ的な意味での)代表曲、「A.C.I.D(脳内麻薬)」のカバーです。

内容としては、きちんと原曲を聴き込んでいるな、という印象。
ゆらゆらと無意味にパンを振る音響効果や、歌いまわしや台詞など、きちんと再現しています。
名(迷)フレーズである、「クソ・バカ・シネ」や、「そこでは化粧した男達が黒尽くめの女の子の胸を鷲づかみにしてるんだぁ!」などはもちろん、「ハン(鼻で笑う)」までも押さえているので、元ネタを知っていれば、ニヤニヤと楽しむことができる。
「脳内麻薬が溢れ出し出してる!」の部分は、もっと巻き舌で歌って欲しかったですけれど。

演奏的には、オリジナルが90年代インディーズレベルということもあって、少なからず、格好良くなっているかしら。
マイナーバンドマンたちによる企画モノという位置づけのバンドなのかと思われますが、それでも、十分本家の音質は超えているかと。
ちなみに、最後の「ジャーン(Am)」までを弾ききると、何故か反町隆史の「ポイズン」のイントロがはじまってフェードアウトしていくのだが、このセレクトは誰の趣味なのだろう。

めちゃくちゃ格好良くリアレンジするわけでもなく、ネタ要素に吹っ切れるわけでもなく、淡々と賛美歌をカバーしていくスタイルが、妙にシュール。
まぁ、ネタをネタとして演奏する人と、真面目に演奏した結果がネタだった人では、後者のほうが圧倒的に破壊力があるわけで。
ネタとわかってやっている時点で、受け狙いに走っても、滑るだけであることはわかっているのでしょう。
そういう意味では、ある種、賛美歌を知っている人だけの"内輪ウケ"的なアプローチに持っていったのは、正解だったのだと思います。

なお、注目すべきはジャケット。
これ、賛美歌の「聖夜に響く讃美歌の調べ」のオマージュですよね。
CDタイトルも、それに倣って。
正直なところ、一番のインパクトは、このアートワークでしょう。
もっとも、「聖夜に響く讃美歌の調べ」には、「A.C.I.D(脳内麻薬)」は収録されていないのですけれど。