俺達は時代の代弁者じゃねぇ クソヤローだ/ウェンズデー
1.代弁者
2.少年ザンゲ
3.Bonus Track
殺女黒十字、殺女黒十字まこ、ウェンズデー、仙台代表・・・
頻繁に名前が変わる、あやめさん率いるウェンズデーの6thシングル。
スタイルも、コテコテ風、お洒落風、デコラ風と、変貌していき、今となっては、活動しているのか、止まっているのかもわからない、とらえどころのないバンドとなっています。
メンバーの入れ替わりも激しく、現在は、実質的にはソロプロジェクトとなっている模様。
本作は、5人編成だった2005年の作品。
そのためか、前後の作品よりもバンド感が押し出された作風ですね。
ロックテイストが、強めに出ている。
「代弁者」は、これがウェンズデーかと思うほど、ザクザクとギターサウンドで攻め立てる疾走ロック。
メッセージ性が強い楽曲であるということも手伝ってか、至ってシンプルに、同期を使わず、ハードな演奏だけで構成されています。
荒々しさはあるが、勢いもある。
中期の作品であるにも関わらず、ようやくバンド編成が揃っての音源になったというカタルシスもあってか、初期衝動すら感じられますよ。
この当時は、殺女黒十字まこ名義だったあやめさんのボーカルスタイルには、少しマッチしない部分もありましたが、彼らの楽曲の中でも、素直に格好良いナンバーとなっているのでは。
カップリングの、「少年ザンゲ」は、路地裏感のあるミディアムチューン。
エフェクトをかけたようなアニ声で歌うあやめさんの歌唱法には、かなり癖があるため、聴く人を選びそうなところはありますが、楽曲のタイプとしては、LIPHLICHが歌っても違和感がなさそうな雰囲気かも。
アレンジの工夫が足りないのか、やや長さを感じてしまうのがもったいない。
ボーナストラックは、楽曲ではありません。
メンバーからのショートコメント。
ウェンズデーの作品って、この手のトラックが挿入されていることが多いのですよね。
内容としては、骨太ながら癖もあり、それなりに面白く聴ける。
ボーナストラックにコメントを入れるなら、何かしら曲を入れてくれとも思ったが、まずは衝動をそのままぶつけたといったところでしょう。
この音楽性で、そのまま進んでいったら個人的な好みとしては良かったのだけれど、時代に合わせてか、その後、デコラティブな衣装に身を包み、同期にエフェクト満載のポップ路線になってしまいました。
現在も、音楽性は変化しているようだし、あやめさんの趣味の編成に合わせて変化していくプロジェクトという解釈なのかしら。
それはそれで否定しないけれど、リスナーにとって、ウェンズデーのイメージがぼやけてしまう結果になっていたのは否めませんよね。
本当に、時代の代弁者ではなく、確固たる軸のない クソヤローだったね、で終わってしまわないよう、もう一花咲かせることはできるでしょうか。