WORDS FROM MIND / Galla | 安眠妨害水族館

安眠妨害水族館

オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

WORDS FROM MIND/Galla
¥3,059
Amazon.co.jp

1. BIG MOUTH 
2. 奇蹟の薔薇(キセキノハナ)
3. PSYCHO-BRAIN
4. アリガトウ…
5. シグナル
6. APPLAUSE!
7. 見上げたとき
8. WHITE MELODY
9. CALCULATION
10. 罪に罰を
11. マリア~under the water~

1995年に結成し、1998年にavexからメジャーデビューを果たしたGalla。
2000年に解散していますが、あまり活発に動いている印象ではないものの、今年に入ってから、再結成となったようです。

メンバーは、全員が本名。
多少の派手さはあるものの、カジュアル風のヴィジュアルであり、本質的にヴィジュアル系のシーンで活動していたバンドだったのかは、当時はよくわかっていませんでした。
V系バブルの時期での登場だっただけに、当時は、事務所の意向でやらされているのかなぁ、と。

しかしながら、調べてみれば、改名前のGALA名義で、Platic TreeやMASCHERA、FANATIC◇CRISISなどが参加しているオムニバス、「Emergency Express 1996」にて、トップバッターを努めるなど、相応の実績があるようで。
サウンドを聴いても、これは納得。
時代を感じる部分はありますが、ビートロックを軸にしつつも、メロディアスさを重視した良質なソフトヴィジュアルバンドですな。

特に、シングル曲が、しっかりとキラーチューンとしての役割を果たしている。
「罪に罰を」、「奇蹟の薔薇(キセキノハナ)」、「シグナル」と、アッパーでキャッチーさのある楽曲が、盛り上げどころを作っています。
ポップさが際立っているのだけれど、ほんのりと切なさが紛れ込むのもポイント。
骨太なアレンジで、ポップロックを展開していくバンドスタイルは、実に、90年代後半の王道だ。
懐古主義的な人には、とてもしっくりくるノスタルジックさがあるでしょう。

ただし、あくまで、それは振り返って聴いているからこその感想なわけで。
リアルタイムでは、至るところで、ありふれていた音楽。
レベルは相応に高いのだけれど、メジャーに進出したことが、かえって没個性を助長し、事務所がプッシュした割りに、実績を残せずに散ってしまった印象です。
作品全体的に、シングル曲のクオリティが出せていれば、王道なことは決してマイナスではないのだけれど、アルバム曲が、アルバム曲で終わってしまっているのが残念。
ミディアムテンポのロックナンバーが多くなってしまって、デビュー作なのに、落ち着きすぎてしまっているのですよね。

中古で安く見かければ、買って損はないのだけれど、現役時代に、なんでパッとしなかったのかも理解できるかと。
無難にまとまりすぎていて、癖が足りない。
無味無臭で終わってしまう。
「シグナル」は、当時も今も、好きな楽曲なのですよ。
個人的には、バランスを多少崩してでも、この路線をメインとして勝負してほしかった。

さて、再結成ライブのDVDを作成中とのこと。
果たして、ニーズがどれだけあるのやら。