1. HEART.
2. Baby,I LOVE YOU.
3. 銀河鉄道
4. CRAZY BAD EMOTION.
5. みずいろ
6. ASIAN「noir」GENERATION.
7. alive.
8. 小さな恋のメロディー
9. ペーパードレスレディ
10. 密室スナイパー
11. Sad.
12. PEACE?
13. C.
2005年にリリースされたWaiveのラスト・オリジナルアルバム。
Dr.松岡太郎さんが脱退となってしまったため、4人編成となっての作品となりました。
内容としては、とにかくポップで、とにかく切ない。
ソフトヴィジュアル系としてのセツナソングは、これまでも数々送り込んできていたWaiveですが、本作では、そこからひとつ進んで、更にキャッチーなポップチューンの中で、じんわりと滲む切なさを表現できるようになったというか。
1曲目の「HEART.」から、そんな雰囲気が全開。
何も知らないV系ファンが聴いたら、拍子抜けしてしまうくらいにJ-POPなのですが、だから評価が下がるかといったら、そんなことはありません。
やはり、このバンドの強みはメロディライン。
その後、ソロ活動をするGt.杉本善徳の作曲センスが、大いに発揮されています。
主軸はポップに聴かせるのですが、ところどころで、垣間見える遊び心。
「CRAZY BAD EMOTION. 」では、ザラザラとしたパンキッシュサウンドで男らしさをアピールしていたり、「ペーパードレスレディ」では、なんとなくコミック要素をちらつかせている。
このように、王道から外れるような試みもしているのだけれど、共通するのはキャッチーだということ。
耳に残るメロディが、どの曲にも見られるのです。
これを、Vo.田澤孝介さんが、ハイトーンのクリアーな歌声で、高らかと歌い上げるのだから、たまらない。
こういう一般層にも受けが良さそうな楽曲でも、しっかり個性を出して歌いこなせるボーカリストですな。
遊び心と言えば、アレンジに関して、ジュディマリからのオマージュ的なフレーズは、相変わらず採用されています。
まぁ、過去の作品ほどあからさまではないので、上手いこと、自らのセンスの中で吸収できていると思いますけれど。
そんなWaiveの集大成となるのが、ラストの「C.」。
歌詞にもあるように、スローバラードなのですが、涙腺を崩壊させるだけのインパクトがあるキラーチューン。
最後の作品という背景を重ねなくても、十分に切ないナンバーであるわけで。
それが、アルバムの締めに持ってこられたら、泣かないわけにはいかないじゃないか。
この楽曲のために、Waiveは結成されたのではないかと言ってもいいくらいに、名曲です。
シングル曲やカップリング曲等、発表済みの楽曲も多く収録されていて、その辺りは、解散が決まった後に作られた作品っぽいかな。
ただし、Vo.田澤さんと、Gt.善徳さんの期間限定ユニットだったガチャピソのデモテープから、「Light LIGHT BLUE」が、「みずいろ」としてCD化されていたり、善徳さんの前身バンド、Rayの代表曲、「ALIVE」が現メンバーでリメイクされていたりと、必ずしもマイナス印象だけではありません。
雑多なようで、バランス的には、案外まとまっている。
ソフビ系を代表する名盤のひとつです。
＜過去のWaiveに関するレビュー＞
INDIES
PINK DISTORTION