Birth~東京の陣~@池袋EDGE (2013.2.2) | 安眠妨害水族館

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オバンギャと初心者に優しいヴィジュアル系雑食レビューブログ

「カラット 希&雨宮流斗&シロ生誕祭東名阪連続主催ツアー『Birth~東京の陣~』」に行ってきました。
見ておきたかったマイナーバンドがいくつか出るうえ、メロディアス性を重視するバンドが集まっているので、王道系のイベントであっても、比較的見やすいかなと思いまして。

それでも、8バンドは長丁場だったけどね。
16時半スタートで、終了は22時過ぎ・・・
もっとスカスカだと想像していたので、転換中に座って休めばいいやと安易に考え、スタートから行ったのがアラサー的には間違いだったのか。
結構ちゃんと埋まっていて、立ちっぱなしがしんどかったです。


Vent Croix

名古屋発、白系バンドのヴァンクロア。
90年代後半のラルクのフォロワーといったところで、歌モノに強みを持っている印象です。
実際、ボーカルさんはなかなかのお手前。
音源で聴くよりも、存在感がありました。

ただ、イベントだと、アッパーな曲中心で、強引に盛り上げようとする感じなのでしょうか。
もっと、じっくりと世界観を堪能させる魅せ方をしてくれたほうが好みかな。
2曲目くらいにやった、ミディアムテンポの真っ白ナンバーが良かっただけに、余計にそう思います。
煽った割りに、暴れ曲があるわけでもないので、オーディエンスも戸惑っていたというか、なんともアウェイな空気が出てしまっていたのが残念。
amber grisあたりのイベントに呼んでもらえたら、一気に知名度を伸ばせそうなんだけど。




ex-Ap(r)ilのVo.ヒナタさんのソロ活動としての名義のようです。
きちんとフルメンバーが揃ったバンド編成ではありますが、演奏隊がやたら地味だな、と思っていたのですが、そういうことなのか。

動きそのものはダイナミックでも、真顔を崩さず、オーディエンスとの距離感をある程度保とうとするスタンス。
そういう硬派なスタンスは好きなのですが、フリについてだけ現代のV系主流をそのまま取り入れてしまっているようで、ステージングとフリが、なんだかミスマッチになってしまっている懸念はあるかと。
もっとも、まだ始動から数えるほどしかライブをしていないようで、経験値の問題もあるでしょうけどね。


EAT YOU ALIVE

さすがに格好良いです。
知名度的に、この対バンの中では頭ひとつ抜け出ていますが、その理由はわかるなというステージング。
ラウドな演奏とシャウトで、厚みを持たせる部分と、ソフビ的にシンプルなメロディを重視する点のバランスが絶妙だった。

この日は、更に世界観を深めるようなドラマティックなナンバーもあったりして、歌唱力が際立つような構成でしたね。
高音を伸ばす場面でも、ブレるどころか、声色を選ぶくらいの余裕が感じられる。
後は、ツボにハマるかどうかっていうレベル。
伸びしろって、どれくらい残っているのだろうなぁ。
EAT初心者としては、大変満足できるアクト内容でした。


N@H-ノア-

ex-平成維新のGt.ユッキーさんと、Dr.ライさんが、それぞれがギター&ボーカル、DJ&プログラミングと役割を変更し、結成されたN@H-ノア-。
残りのメンバーはサポートのようです。
ライさんは、ライブ内でDJを担当する部分はほとんどなく、実質的には煽りやデスヴォイスを担当するパフォーマーのような立ち居地。
むしろ、振り指導のお兄さん。

音楽性としては、サイバーさのあるキラキラポップ。
正式にツインボーカルを謳っているわけではないこともあり、掛け合いについては、面白いと思ったら使う程度にとどめ、強引さがないのが好印象でした。
ただ、楽曲が似通っていたような気がしたのは、まだ聴き込んでいないからだろうか。
曲よりも、フリのパターンの多さに脳内の記憶メモリーを消費してしまった感じ。


血と包帯

CELLとの違いがよくわかりません。
登場シーンからいきなり、Vo.紺さんが「俺たちが、CELLだ!」と言ってたし。
血糊・包帯の衣装に、紺さんの目元のあのメイク。
曲構成に、煽り方、ギターソロの雰囲気まで、90年を懐古している感じでたまらないですね。
演奏も歌も、決して上手いわけではないのだけれど、あの頃が再現されているという事実に、どうしたって盲目フィルターがかかってしまいます。

とりあえず、「MIRROR.MIRROR~鏡よ鏡~」のCELLバージョンが聴けて満足。
La'Muleで演奏されていた楽曲が、解散により一度封印され、また世に出てきた。
それにより、当時はついていなかったはずの現代風の手フリが、ファンの中で出来ているのも面白いものです。
それにしても、「背徳と決断の意思」のイントロでの、わっちゃわっちゃした踊りはなんなのだろう。
あれ、素で吹いてしまったのだけれど。


the LEM

ネオヴィジュ世代のソフビ系といった感じ。
ここまでソフビ感のあるソフビバンドって、久々に見たかも。
ボーカルさんが早口かつハイトーンなので、なんて煽ってるのか全然わからなかったです(笑)

内容としては、ストレートなポップロックですね。
ヒットチャートにランクインしていてもおかしくなさそうな、聴きやすくてキャッチーなナンバーばかり。
後半に出てくるだけあって、なかなかの盛り上がりを見せていました。
個人的には、もう一癖ほしいけどな。
アッパーチューン一辺倒だと、どうもインパクトが弱くなってしまいますよね、この手のバンドは。


Glam Grammar

ex-イロクイ。のGt.しゅうたさん、Ba.リツさんの新バンド。
キャリアがしっかりしているだけあって、演奏は安定しているし、魅せ方も上手いわ。
上手と下手の入れ替わりのコンビネーションや、ソロパートの受け渡し、前に出て行くタイミングなど、迷いなく、スムーズに出来ているのは感心しました。

一方で、ネックとまでは言わないけど、もっと頑張ってほしいのがボーカル。
あまり存在感がなかったな、というのが、率直な感想です。
煽りの部分では、せっかくの楽器隊の魅せ場となるフレーズを掻き消すくらいの大声なのに、歌が始まった途端、演奏に埋もれてどこかに行ってしまう。
音響のせいかとも思ったのだけれど、煽りのための地声は普通に聞こえるから、声量や発生の仕方の問題なのだろうか。


カラット

THE RHEDORICの雄志さんが、ゆーじ。名義で在籍しているカラット。
本日の主催ということで、トリでした。
活動を開始してわずか半年ながら、随分と堂々と主催ライブをこなしていくなと思ったら、ex-ClearVeilのGt.希さん、Gt.雨宮流斗さん、Dr.成華さんを中心に結成されたバンドなんですね。
そりゃ、納得。相応にキャリアがあるもんな。

EAT YOU ALIVEとは対照的に、技術の甘さはあっても、楽曲がツボにハマったため、一気に引き込まれた。
キラキラ系の王道をなぞりながらも、和風なシンセや、歌謡曲メロを重ね込むことで、差異化はできているのではないかと。
新曲として発表された「舞姫」は、ライブノリを意識されているものの、音源で聴きたいくらいに好みでしたよ。
この日先行発売されたシングル収録曲は、どちらかと言えば王道キラキラに寄ってはいるのだけに、ライブで見ておくって大事ですね。
5月にミニアルバムのリリースが決まったようなので、期待して待ちたいところ。

楽器隊には"もうちょっと落ち着いて!"という場面はあったが、とにかくボーカルが上手くて驚いた。
声量があるし、高音のファルセットも安定している。
ステージングについても、カリスマ性があるし、アドリブにも対応できるタイプな気がするな。
節分の時期ということで、スタッフ側主導で風船が客席に投入される等の演出もあり、当然ながらの誕生日イベントもあり。
大きい会場だったら、天井から降ってくる風船たちが、後ろの物販席でスタッフさんが膨らませて、フロアに投げ込まれていたのが涙ぐましかったです。


収穫は、なんといってもカラットですね。
ClearVeilって、何度か聴いてもあまりピンと来なかったのだけれど、こちらは一瞬でツボった。
こういうタイミングを大事にしたいものだ。
メディア等への露出が増えたり、身内バンドだけでなく、少しランクが上のバンドと対バンできるようになれば、売れる要素もあると思うのだけどな。

まずは、ずっと更新されていないオフィシャルHPをどうにかしましょうよ。
主催ライブですら載っていないって、ファン獲得の機会を喪失してしまっている気が・・・