The space toy / DAIGO☆STARDUST | 安眠妨害水族館

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The space toy/DAIGO☆STARDUST
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1. The space toy
2. STARS
3. Queen Stardust
4. 永遠のスペースカウボーイ
5. dear sunshine
6. D☆TRANCE
7. Dolly
8. ruby&sapphire
9. I wanna be your star
10. MARIA
11. heavy heavy

「宇宙から舞い降りたロック王子」という設定でデビューしたDAIGO☆STARDUSTの1stアルバム。
氷室京介のプロデュースがつくなど、鳴り物入りでの登場でしたが、ソロ活動時代は、思うように結果が残せなかったというのが、正直なところ。
BREAKERZがブレイクした今となっては、DAIGOさん本人からも、黒歴史として語られることが多いようです。

DAIGO☆STARDUSTというステージネームは、デヴィッド・ボウイの「ジギースターダスト」から影響を受けて。
それは、音楽性にもはっきりと現れていますね。

ヴィジュアルロックというよりも、グラム系のサウンドメイク。
シングル曲は、キャッチーさを持たせたポップロックに仕上げていますが、アルバム曲は、案外渋い曲が多い。

また、宇宙を意識したコンセプトだけに、全体的に、広がりを持っているナンバーを集めている印象。
壮大というほど、大掛かりなバラードなどはないものの、ミドルテンポの楽曲を中心に、音と音との隙間に、空間を意識させるような表現が見られます。
いたってシンプルなロック。
だけど、幻想的にも聴こえてくる。
この雰囲気は、後期のLa'cryma ChristiやLibraianで演奏されていても、おかしくはないというか。
音楽性はグラムロックが基本なので、別に、楽曲がラクリマっぽいというわけではないのですが、TAKAさんの声で再生されても馴染む気がしてしまうのだよなぁ。

もっとも、楽曲の展開や、細やかな部分でのフレーズは、いささかシンプルすぎるきらいはあるでしょうか。
どうしても、サビになるとポップなメロディに、という制約から逃れられていないせいか、パターン化してしまっているのがネック。
そこから抜け出そうとしても、今度は、ミスチルやラルクなど、他の路線で影響を受けてきたアーティストの面影が出てきてしまう。
悪くはないのかもしれないけれど、次の展開が読めてしまうという意味では、退屈さを感じさせるのかもしれません。

なんだかんだで、ヒムロックが提供した「MARIA」が一番好きかな。
唯一の疾走系ナンバーで、インパクト重視のサビのフレーズは耳に残る。
確かに、次の展開はバレバレなんだけど、それ以上に勢いがあるので、後味はすっきり。
デジタルを取り入れたアレンジも、マイナーコードで突っ走るところも、サビにすべてを賭けるメロディの乗せ方も、わかりやすいほどに王道です。

結局、本格的なロックに行くよりも、ストレートなポップロックを歌っていくほうが、彼のスタイルにはハマっていたのでしょう。
まだオリジナリティが出てきていない中、やるべき音楽を絞りすぎてしまったのが、なんとも、もったいない。
その点、BREAKERZを結成してからは、のびのびと歌っている気がしますよ。
ソロ活動より、バンドのほうがフリースタイルってのも、不思議なものですが。